日常会話やネット上で「ハサミ」という言葉を見かけたとき、刃物の道具としてではなく〈隠語〉的・比喩的に使われているケースに「?」となることはありませんか。この記事では、〈ハサミ〉という語がどういう比喩・隠喩・慣用表現として使われるか、またその背景と注意点を整理します。
「ハサミ」が道具以外で使われる時の意味
まず基本として、一般的な「ハサミ」は「二枚の刃を挟み合わせて切る道具」です。その語義から転じて、俗語・隠語的に「切る」「分ける」「中断させる」「停止させる」といった意味合いで使われることがあります。
例えば、「その場をハサミ入れた」「ハサミが入った」という表現では、介入・横槍・中断という意味合いで使われています。
隠語・業界用語としての「ハサミ」
特に特定の業界・集団(たとえば暴力団・警察・裏社会)では、一般語とは異なる言葉遣い=隠語があります。隠語とは「特定の仲間の間にだけ通用するように特別の意味を付与して用いる語」です。([参照]https://boutsui-matsue.jp/mini24.html)
ただし「ハサミ」が明確に犯罪行為を指す隠語として広く文書化されているという信頼できる資料は見つかっておらず、文脈・状況に応じて比喩的に「許可なく切る/打ち切る/介入する」などの意味で使われる可能性があります。
慣用句・ことわざとしての用例
「馬鹿とハサミは使いよう」ということわざがあります。こちらでは「ハサミ=道具」を使った比喩で、「たとえ能力の低そうな人でも適した使い方をすれば役に立つ」という意味が込められています。([参照]https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1114037716)
このことわざからも、「ハサミ」という言葉が単なる道具以上の比喩性を伴って用いられてきた歴史が見えてきます。
「ハサミ」が犯罪だけを表すわけではない使い方
ご質問のように「ハサミ=犯罪」という隠語的な理解も見受けられますが、それが唯一の意味というわけではありません。むしろ以下のような使い方もあります。
- 介入・割り込み:「そこにハサミを入れる」=計画や流れに割って入る
- 中断・停止・打ち切り:「その案件、『ハサミ』が入った」=進行がストップされた
- 区分・分割:「利益をハサミで分ける」=利益配分や切り分けを行う
こうした用例から、「ハサミ=道具」以上の使い方があることが理解できます。
使う際の注意点と文脈の読み取り
ただし、「ハサミ」という言葉を隠語・比喩として使う際には次の点に注意が必要です。
- 文脈を確認する:どのような集団・場面で用いられているかにより意味が大きく異なります。
- 相手に誤解を与えない表現にする:犯罪的な意味合いや暴力的なニュアンスと誤解されやすい表現は、日常会話では控えめに。
- 言葉の扱いにデリケートになる:隠語は軽く使われるとトラブルや誤解を生む可能性があります。
たとえば、ビジネスシーンで「利益にハサミを入れる」と言えば「切り込みを入れて費用を抑える」という意味で使える一方、仲間内の会話で「ハサミやるぞ」といった表現だと、別の隠語的意味に受け取られるかもしれません。
まとめ
まとめとして、「ハサミ」という言葉は、もちろん一般的には「刃物の道具」を指しますが、隠語・比喩・慣用表現としても多様に用いられてきました。犯罪を直接指す意味だけで捉えるのではなく、「介入」「中断」「分割」などのニュアンスを伴った使われ方もあります。
言葉の意味は文脈・場面・集団に大きく左右されるため、「ハサミ」という語に出くわしたら、前後関係や発言者の立場を丁寧に見極めるのが安心です。


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