オシロスコープと電子電圧計を用いた実効値の測定において、測定値に差異が生じることがあります。特に、オシロスコープの最大値から求めた実効値と、電子電圧計で測定した実効値が異なる場合、その原因は測定方法や機器の特性に関連していることが考えられます。
オシロスコープの実効値測定の特徴
オシロスコープは、波形をリアルタイムで表示するため、実効値を求める際には、通常最大値やピーク値を基に計算されることが多いです。このため、特に信号が非正弦波の場合、最大値から求めた実効値と実際の値に差が出る可能性があります。オシロスコープの実効値計算は、ピーク値を基にした方法で、波形の形状によっては誤差が生じることがあります。
電子電圧計による実効値測定
電子電圧計は、一般的にRMS(実効値)を正確に測定するように設計されています。これは、正弦波だけでなく、非正弦波にも対応した測定方法を持っているため、より信頼性の高い実効値を提供します。オシロスコープとは異なり、電子電圧計は時間的変化を直接測定するのではなく、平均的なエネルギー量を求めるため、特に複雑な波形を扱う場合に優れた精度を発揮します。
測定誤差の原因
オシロスコープと電子電圧計で測定値に差異が生じる理由としては、次の点が挙げられます。
- 波形の形状: オシロスコープは、非正弦波のピーク値に基づいて実効値を計算するため、波形の形状によって測定誤差が生じやすいです。
- 測定方式: 電子電圧計はRMS(実効値)を直接計測しますが、オシロスコープは通常、ピーク値から計算するため、特に複雑な波形では誤差が生じることがあります。
- 機器の精度: 各機器の設計や測定精度に差がある場合、同一の信号に対して異なる結果を示すことがあります。
まとめ
オシロスコープと電子電圧計で実効値を測定する際に40mV弱の差異が生じることは十分に考えられます。この差異は、主に測定方法の違いや機器の特性、波形の形状に起因するものです。オシロスコープはピーク値に基づく計算であり、非正弦波の場合に誤差が生じやすいのに対して、電子電圧計はRMS測定により、より安定した実効値を提供します。したがって、両者の測定結果に差異が生じるのは自然な現象であり、機器選定や測定方法に注意を払うことが重要です。

コメント