英語のモーダル動詞mightについて「単体で『〜かもしれなかった』という意味になるのか」「『〜することもあった』のように訳されるのはなぜか」という疑問を持つ学習者は少なくありません。この記事では、mightの基本的な意味から時制・訳し方・使い分けまでを明確に整理し、実例とともにわかりやすく解説します。
① might の基本的な意味──可能性・推量
まず、might は「可能性・不確実な推量」を表す助動詞で、「〜かもしれない」「〜ということもあり得る」という意味で使われることが多いです。[参照]
例:
She might be late.
=「彼女は遅れるかもしれない」
② 過去の可能性・推量としての might+have+過去分詞
過去に起こった可能性・結果の推量を表す場合、may/might+have+過去分詞の形になります。つまり「〜だったかもしれない」「〜していたかもしれない」です。[参照]
例:
They might have missed the train.
=「彼らはその列車に乗り遅れていたかもしれない」
③ 単に“might”が「〜することもあった/したかもしれなかった」と訳される理由
質問文にあった “might be covered with his drawing…” のような表現では、「〜されていたこともあったかもしれない」という意味が含まれており、訳出時に「〜することもあった」というニュアンスで自然に訳される場合があります。
つまり、原文上は「might」で「可能性・推量」を表しており、時制や文脈から「過去または過去からの可能性」として訳した結果、「〜することもあった/〜されていたこともあった」という訳になるわけです。
④ 時制・仮定・控えめ表現との関係
・時制の一致として:報告された発言・過去の考えを間接話法で述べる際に might が may の過去形として使われることがあります。[参照]
・仮定法・控えめ表現として:仮定条件(もし〜なら…)の文で might を用い、「〜するかもしれない/〜だったかもしれない」という可能性を弱めて表現することも可能です。
⑤ 質問の文 “The outside of the bag might be covered…” を解釈しよう
この英文を読み解くと、「そのバッグの外側は、彼の山の絵で覆われていた可能性があった」というニュアンスを表しています。つまり「かもしれなかった/かもしれない状態だった」という意味です。
和訳例:
<訳例>「そのバッグの外側には、彼の山の風景の絵が描かれていたこともあり得た。」
⑥ 学習者として押さえておきたいポイント
・might は「過去の可能性」「未来/現在の弱い可能性」「間接話法の過去形」など、幅広く使われます。
・訳すときには「かもしれない」が基本ですが、文脈によって「〜することもあった/〜されていたこともあり得た」とする方が自然な場合があります。
・仮定・控えめ・丁寧など特別なニュアンスも持つため、文全体の意味・時制・文脈を確認しましょう。
まとめ
・might 単体でも「〜かもしれない」という意味で使われ、「〜することもあった」と訳されるのは文脈・時制・訳出意図によるものです。
・過去の可能性なら might+have+過去分詞、現在/未来の可能性なら might+動詞の原形を頭に入れておきましょう。
・和訳の際には「単純な可能性」だけでなく「過去にそうだったかもしれない」「そういうこともあったかもしれない」というニュアンスがないかどうかもチェックすると理解が深まります。


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