モーターの起動電流が定格電流の数倍に達する場合、その起動電流に電線が耐えられるかどうかを計算することは非常に重要です。特に、起動電流が定格電流の6倍で、さらにその起動電流が10秒で定格電流に戻る場合において、電線がこの電流に耐えるためにはどのような計算が必要かを説明します。
モーターの起動電流とは?
モーターが起動する際、通常の定格電流よりもはるかに高い電流が流れることがあります。この電流は「起動電流」と呼ばれ、モーターが始動する瞬間に流れる瞬間的な大きな電流です。起動電流は通常、定格電流の数倍に達します。
例えば、起動電流が定格電流の6倍に達する場合、モーターが動き出す初期段階で非常に大きな電流が流れますが、時間が経過するにつれて電流は定格電流に減少します。この場合、電線がこの高い電流に耐える必要があります。
IV電線の耐久性を確認する計算式
IV電線の許容電流を計算するための式は、主にその断面積(A)と電流の持続時間(t)に基づいています。以下の式を使って、電線が起動電流に耐えられるかどうかを計算します。
I = 97 × A / √t
ここで、Iは許容電流(A)、Aは導体の断面積(㎜²)、tは短絡電流の持続時間(秒)です。
具体的な計算例
例えば、モーターの起動電流が定格電流の6倍で、10秒以内に定格電流に戻る場合、IV電線の断面積が例えば2.5㎜²だとします。この場合、持続時間tは10秒と設定し、以下のように計算します。
I = 97 × 2.5 / √10 ≈ 97 × 2.5 / 3.162 ≈ 76.7A
この結果、起動電流が約76.7Aとなります。この計算結果に基づいて、使用するIV電線がこの電流に耐えられるかを確認することができます。
起動電流に対する耐性の確認方法
モーターの起動電流がIV電線の許容電流を超えないことを確認するためには、次の点を確認することが重要です。
- モーターの起動電流が最大で何アンペアに達するのかを計算する。
- その電流が電線の許容電流より高くないことを確認する。
- 起動電流の持続時間(t)に応じた電線の許容電流を計算し、それが安全範囲に収まっているかを確認する。
まとめ
モーターの起動電流に耐えられるIV電線を選定するためには、起動電流が電線の許容範囲を超えないかどうかを計算することが重要です。起動電流の計算式を使用して、具体的な電流値を求め、IV電線の断面積と照らし合わせることで、適切な電線の選定が可能です。モーターの起動時の電流が非常に高い場合でも、適切な電線を選べば安全に使用できます。


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