特定外来生物「キョン」の今後の分布拡大は？全国への広がりと対策を読み解く

シカ科の小型動物「キョン」が、千葉県房総半島や東京都・伊豆大島で定着・繁殖しており、今後「全国に広がるかどうか」が関心を集めています。この記事では、現状の分布・拡大要因・そして全国への拡大可能性を整理し、今後の展望を紹介します。

現状の定着・拡大状況

キョンはもともと中国南部や台湾を自然分布域としており、我が国では主に千葉県房総半島で野外定着が確認されています。 [参照]

最近では東京都・伊豆大島でも急速に個体数が増えており、島内で住民数を超える規模で生息しているという報道もあります。 [参照]

房総半島での拡大要因として、キョンの驚異的な繁殖力（年中繁殖可能、1産仔）と適応性の高さが挙げられています。 [参照]

また、竹林・下草地・太陽光パネル下など“人間の管理が薄れた環境”がキョンにとって好適環境となり、これが拡大の後押しになっているとの指摘もあります。 [参照]

千葉県内では房総半島北部に向けて分布が北上しており、茨城県などで目撃例が確認され始めています。 [参照]

ただし、全国的な定着・拡大には地域ごとの環境適合性・寒冷地適応・捕獲・防除体制の差などが関わるため、“全国に無差別に広がる”というわけではありません。

自治体や関係機関では、キョンの捕獲・駆除・被害状況の調査・目撃情報の共有などの対策を強化しています。 [参照]

また、地域住民としてできることは、キョンの目撃情報を速やかに報告すること、侵入防止のためのフェンス設置や森林・農地の整備などが挙げられます。

・キョンは現在、千葉県房総半島・東京都伊豆大島などに定着し、個体数・分布域を拡大しています。
・全国的な“均一な拡大”は現状では起こっていませんが、環境条件が整えば北上・拡散の可能性はあります。
・地域ごとに防除体制と環境管理が鍵となるため、住民・自治体ともに早期対応が重要です。