古文における「定めて」という言葉は、呼応の副詞としてよく使われますが、推量の助動詞と一緒に使われる場合があります。特に「推量」と「推定」には違いがあり、文脈によってその意味合いが変わることがあります。この記事では「定めて」の使い方に焦点を当て、推量と推定の違いについて解説します。
「定めて」の意味と使用例
「定めて」という言葉は、古文において「確かに」「おそらく」「きっと」といった意味で使われ、推量や推定を表現するために用いられます。例えば、「定めて来たるべし」という表現は、「きっと来るだろう」といった意味合いになります。
しかし、文脈によっては推量だけでなく、推定や予測の意味が込められている場合もあり、その使い方に注意が必要です。
推量と推定の違い
推量は、「何かが起こる可能性が高い」という予測を立てることです。これは、ある出来事が起こるだろうという「予測」に基づいています。
一方、推定は、既に得られた情報を元に、ある事実が成立しているであろうと判断することです。つまり、推測する根拠が何らかの事実に基づいています。例えば、「定めてそのように決まっているだろう」というのは、過去の情報や現在の状況を基にした推定です。
「定めて」が推量と推定に使われる場合の訳し方
「定めて」が推量と推定のどちらとして使われるかによって、その訳し方に違いがあります。
- 推量の場合:「きっと」「おそらく」「きっと〜だろう」
- 推定の場合:「〜だろう」「〜に違いない」
例えば、「定めて見ゆるところなり」という場合、推量的に「きっと見えるだろう」と解釈することもできますが、文脈によっては「見えるだろうに違いない」と推定的に解釈することも可能です。
具体的な例文
具体的な例文をいくつか挙げてみます。
- 「定めて今は来たるべし」 – 推量的な表現。予測を立てる。「きっと今、来るだろう」
- 「定めてそのように決まっているだろう」 – 推定的な表現。「きっとそのように決まっているに違いない」
このように、文脈に応じて「定めて」の使い方を柔軟に解釈することが重要です。
まとめ
「定めて」は古文において重要な表現の一つですが、その意味は文脈に応じて推量や推定として使われます。推量は予測に基づくものであり、推定は事実に基づいた判断です。どちらの意味で使われているかを理解することで、より正確な訳し方が可能になります。


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