水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)の溶液のモル濃度を求めるためには、まず水酸化カルシウムが水に溶けてどのように解離するかを理解する必要があります。特にpH10の水酸化カルシウム溶液のモル濃度の計算方法について、以下で詳しく解説します。
水酸化カルシウムの解離反応
水酸化カルシウムは水に溶けると、以下の反応で解離します。
Ca(OH)₂ ⇌ Ca²⁺ + 2OH⁻
この反応からわかるように、1モルの水酸化カルシウムが解離すると、1モルのカルシウムイオン(Ca²⁺)と2モルの水酸化物イオン(OH⁻)が生成されます。
pHと水酸化物イオンの関係
pH10の溶液における水酸化物イオン(OH⁻)の濃度を求めるためには、まずpOHを計算します。pOHは次のように求められます。
pOH = 14 – pH = 14 – 10 = 4
次に、水酸化物イオン(OH⁻)のモル濃度を求めるために、pOHから水酸化物イオンの濃度([OH⁻])を計算します。
[OH⁻] = 10^(-pOH) = 10^(-4) = 1 × 10⁻⁴ mol/L
水酸化カルシウムのモル濃度の求め方
水酸化カルシウムが解離する際、1モルのCa(OH)₂は2モルのOH⁻を生成します。したがって、OH⁻のモル濃度が1 × 10⁻⁴ mol/Lであれば、Ca(OH)₂のモル濃度はその半分、すなわち。
[Ca(OH)₂] = 1 × 10⁻⁴ mol/L ÷ 2 = 5 × 10⁻⁵ mol/L
まとめ
標準状態でpH10の水酸化カルシウム溶液のモル濃度は、OH⁻の濃度を基にして求めることができます。具体的には、OH⁻の濃度が1 × 10⁻⁴ mol/Lである場合、Ca(OH)₂のモル濃度は5 × 10⁻⁵ mol/Lとなります。このようにして、水酸化カルシウムのモル濃度を計算することができます。


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