国語の高校入試問題では、同じ言葉でも文脈によって意味や用法が異なることを問う問題がよく出題されます。今回は「ない」という言葉が使われた四つの文から、意味や用法が異なるものを選ぶ問題について解説します。
問題の解説
問題は以下の文での「ない」の使い方を比較するものです。
- そんなことはないけれど、日本語では…。
- 好ましくない言葉だ。
- 二つの場合ぐらいしかないそうだ。
- YES. ではいけない。
それぞれの文で使われている「ない」の意味を分析してみましょう。
①「そんなことはないけれど、日本語では…。」
この文の「ない」は、否定の意味を持つ助動詞「ない」です。ここでは「そんなことはない」という形で、「そのようなことが存在しない」という意味で使われています。この用法は基本的な否定の表現です。
②「好ましくない言葉だ。」
ここで使われている「ない」は形容詞「好ましくない」の一部です。「ない」は形容詞の否定形を作るために使われ、「好ましくない」は「好ましくない」という状態を表します。つまり、「好ましくない言葉」は「好ましくない」という評価を受ける言葉という意味です。
③「二つの場合ぐらいしかないそうだ。」
この文の「ない」は、「存在しない」という意味で使われています。「二つの場合ぐらいしかない」は、「二つの選択肢しかない」「選択肢が二つに限られている」という意味です。この用法も基本的な否定の意味ですが、存在の有無に関わるものです。
④「YES. ではいけない。」
この文の「ない」は、否定の意味を持つ「ない」の一部として使われていますが、「いけない」という形容詞と組み合わせて使われています。ここでの「いけない」は、「してはいけない」「許されない」という意味で、「ない」が動詞「いける」の否定形に付いています。
異なる意味・用法を選ぶ
「ない」という言葉の用法が異なるものは、実は③「二つの場合ぐらいしかないそうだ。」の「ない」です。こちらは「存在しない」という意味で使われており、他の文では否定形の助動詞や形容詞の一部として使われています。
まとめ
この問題では、「ない」がどのように使われているかによって、意味や用法が異なることが理解できました。文脈によって「ない」の意味が変わることをしっかり把握しておくことが、国語の理解を深める鍵となります。


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