微分の基本を押さえるうえで、「もし f(x)=g(x であれば f′(x)=g′(x がいつでも成り立つのか」という疑問はよく出てくるものです。この記事では、高校範囲の知識を用いてこの命題を丁寧に検討し、どんな場合には成り立つか、また成り立たない例を具体的に示します。
成り立つケース:関数が同じならその微分も同じ
まず、もしもある区間 I で常に f(x)=g(x が成り立っていれば、その区間では「f–g が常にゼロの定数関数」と考えることができます。
つまり h(x)=f(x)−g(x) とおくと h(x)=0 なので h′(x)=0 となります。よって f′(x)−g′(x)=0 すなわち f′(x)=g′(x が導かれます。したがってこのような場合には確かに成り立ちます。
成り立たないケース:等しいのが一部の点や条件付きの場合
しかし、注意すべきは「f(x)=g(x」が**ある区間で全ての x に対して**成り立っているのか、あるいは**特定の点だけ**なのか、また「関数の定義域・微分可能性」が揃っているのかという点です。
例えば、f(x)=g(x) が点 x₀ だけで成り立っている場合、その一点の値が同じでも一般には f′(x₀)=g′(x₀) とは限りません。関数が区間で一致していなければ、微分も一致する保証はありません。([参照] (https://homework.study.com/explanation/if-f-x-g-x-then-f-x-g-x-a-true-b-false-why.html))
具体例で考えてみましょう
〈例1〉関数 f(x)=2x+3 と g(x)=2x+3 はすべての実数 x で f(x)=g(x となります。このとき f′(x)=2 かつ g′(x)=2 なので一致します。
〈例2〉関数 f(x)=x² と g(x)=x² (ただし x≠0 で定義)とし、さらに一点だけ「延長」して別の定数を与えたものなどを考えると、f(x)=g(x がある点だけ成立する場合、微分が一致しないことがあります。つまり「部分的に等しい=すべての点で等しい」ではないため、微分まで等しいとは言えません。
高校範囲で押さえるべきポイント
- 「f(x)=g(x が区間で成り立つ」ならば、微分も一致します。
- 「特定の点だけで f(x)=g(x」のみが成立している場合、微分が一致するとは限りません。
- 関数が微分可能であること・定義域が同じであること・一致する区間が明確であることが前提です。
高校数学の範囲では、まず「等しい関数=同じ式」ならばその導関数も同じ、という理解を持ち、さらに「部分的な等しさ」では微分が一致しない可能性を知っておけば十分です。
まとめ
結論として、〈もし f(x)=g(x ならば f′(x)=g′(x〉は、**fとgがある区間で完全に一致**していて、かつその区間で微分可能であれば成立します。逆に、単に「ある点で f(x)=g(x となっているだけ」では、微分が一致するとは限りません。高校数学では、この違いをしっかり理解しておきましょう。


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