『土佐日記』の「門出」の一部を品詞分解してみましょう。古典文学における品詞分解は、現代語との違いを理解するための重要な手段です。この記事では、和歌と唐詩に関連する部分を取り上げ、各語句の品詞を分析して、その意味を詳しく解説します。
1. 「唐詩、声あげて言ひけり。」の品詞分解
「唐詩、声あげて言ひけり。」を品詞分解すると、以下のようになります。
- 唐詩(名詞) – 唐の詩、唐詩
- 声(名詞) – 声、音
- あげて(動詞・連用形) – あげるの連用形、音を立てる
- 言ひけり(動詞・過去形) – 言うの過去形、言った
この文では、「唐詩」が名詞で、「声あげて言ひけり」は動作を表す動詞であり、詩が声に出して言われたことを示しています。
2. 「和歌、主も客人も、こと人も言ひ合へりけり。」の品詞分解
次に「和歌、主も客人も、こと人も言ひ合へりけり。」を品詞分解します。
- 和歌(名詞) – 日本の詩歌
- 主(名詞) – 主人、ここでは和歌の主
- 客人(名詞) – 客
- こと人(名詞) – 他の人
- 言ひ合へりけり(動詞・過去形) – 言い合うの過去形
ここでは、和歌を詠む場面で主も客人も、そして他の人々が言い合う様子が描かれています。動詞「言ひ合へりけり」は、みんなが言葉を交わしたことを表しています。
3. 「唐詩はこれにえ書かず。」の品詞分解
「唐詩はこれにえ書かず。」の品詞分解です。
- 唐詩(名詞) – 唐の詩
- これ(代名詞) – これ、指示代名詞
- に(助詞) – 方向や対象を示す
- え(助動詞) – できない
- 書かず(動詞・未然形) – 書くの未然形、書かない
この部分では、「唐詩がこれに書かれていない」という意味になります。つまり、唐詩がその場に詠まれていないことを伝えています。
4. 「和歌、主の守のよめりける、」の品詞分解
「和歌、主の守のよめりける、」を品詞分解すると、次の通りです。
- 和歌(名詞) – 日本の詩歌
- 主(名詞) – 主人
- 守(名詞) – 守る人、守役
- よめりける(動詞・過去形) – 詠むの過去形、詠んだ
この部分では、「和歌が主の守によって詠まれた」という意味です。守が主に代わって和歌を詠んだことを示しています。
5. 「都出でて君に合はむと来しものを来しかひもなく別れぬるかなとなむありければ」 の品詞分解
この長い文を品詞分解してみます。
- 都(名詞) – 都、市
- 出でて(動詞・連用形) – 出るの連用形、出て
- 君(名詞) – 君、主人
- に(助詞) – 方向、対象を示す
- 合はむ(動詞・意志形) – 合うの意志形、合おう
- と(助詞) – 引用を示す
- 来し(動詞・過去形) – 来るの過去形
- もの(名詞) – もの、ものごと
- 来しかひ(名詞) – 以前に来た道
- も(助詞) – 強調を示す
- なく(動詞・未然形) – ない、存在しない
- 別れぬる(動詞・未然形) – 別れるの未然形、別れない
- かな(感動詞) – かな、驚きや感動を表す
- となむ(終助詞) – 断定や強調を表す
- ありければ(動詞・過去形) – あるの過去形、あったので
この文は、出発の際に君に会うことを誓って、過去に訪れた場所や思い出を述べる内容です。別れの感情とその後の決意が表現されています。
まとめ
『土佐日記』における品詞分解を通して、古典文学における文法や表現方法がどのように使われているのかを理解することができます。品詞の理解は、古典を読む際に役立ち、言葉の意味や文章の背景を深く理解するための手助けとなります。


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