化学反応での中和点を求めるための計算方法について説明します。今回は、0.1mol/Lの硫酸(H₂SO₄)を0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)で滴定する問題を取り上げます。中和点とは、酸と塩基が完全に反応した時点を指し、その際の水溶液の体積を計算する方法について解説します。
化学反応式とその係数の重要性
酸と塩基の反応では、化学反応式が重要です。硫酸と水酸化ナトリウムが反応する反応式は次のようになります。
H₂SO₄ + 2NaOH → Na₂SO₄ + 2H₂O
この反応式から、硫酸1モルと水酸化ナトリウム2モルが反応することがわかります。したがって、酸と塩基の反応にはモル数の比が2:1であることを理解することが重要です。
滴定での計算方法
まず、問題に与えられた条件を整理します。
- 硫酸の濃度:0.1mol/L
- 硫酸の体積:20mL
- 水酸化ナトリウムの濃度:0.1mol/L
滴定での反応式に基づき、1モルの硫酸には2モルの水酸化ナトリウムが必要です。このため、硫酸のモル数を求め、それに対応する水酸化ナトリウムの体積を計算します。
硫酸のモル数は次のように求めます。
モル数 = 濃度 × 体積
0.1mol/L × 20mL(0.02L) = 0.002モル
次に、反応式から水酸化ナトリウムのモル数を求めます。反応式によると、1モルの硫酸に対して2モルの水酸化ナトリウムが必要ですので、
水酸化ナトリウムのモル数 = 0.002モル × 2 = 0.004モル
0.004モルの水酸化ナトリウムを反応させるために必要な体積を求めます。水酸化ナトリウムの濃度は0.1mol/Lなので、
体積 = モル数 ÷ 濃度
体積 = 0.004モル ÷ 0.1mol/L = 0.04L = 40mL
答え:中和点の体積
したがって、0.1mol/Lの硫酸20mLを0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定したときの中和点は40mLです。
まとめ
この問題を解くためには、まず化学反応式に基づいてモル数の関係を理解することが重要です。反応式の係数を正しく把握し、滴定に必要な体積を計算することで、中和点を求めることができます。


コメント