酢酸緩衝液のpH計算方法:塩酸・NaOH水溶液の影響を解説

化学

本記事では、酢酸緩衝液に塩酸またはNaOH水溶液を加えたときのpHの変化を計算する方法について解説します。具体的には、酢酸(pKa 4.7)とその塩である酢酸ナトリウムが含まれる緩衝液に1.0 mol/Lの塩酸またはNaOHを加えた場合のpHの変化を求めます。また、蒸留水に塩酸やNaOHを加えた場合のpHも計算します。

(1)酢酸緩衝液に塩酸またはNaOHを加えたときのpHの計算

まず、酢酸と酢酸ナトリウムが含まれる緩衝液に塩酸やNaOHを加えたときのpHを計算します。酢酸のpKaが4.7であることから、ハンブレスト法を使用して緩衝液のpHを計算することができます。

ハンブレストの式

ハンブレストの式は以下のように表されます。

pH = pKa + log([A-]/[HA])

ここで、[A-]は酢酸ナトリウムの濃度、[HA]は酢酸の濃度です。

緩衝液の初期条件として、酢酸と酢酸ナトリウムの濃度はそれぞれ0.10 mol/Lであり、体積は20 mLです。

塩酸(HCl)を加えた場合の計算

1.0 mol/Lの塩酸を0.20 mL加えることで、塩酸が反応し、酢酸の一部が水素イオンを供給して酸化されます。この反応によって、酢酸と酢酸ナトリウムの比率が変化し、pHが変わります。反応後の新しいpHは再びハンブレストの式で求めます。

新しい酢酸(HA)と酢酸ナトリウム(A-)のモル数を求め、pHを計算します。

NaOHを加えた場合の計算

同様に、1.0 mol/LのNaOHを0.20 mL加えた場合も、NaOHが酢酸の水素イオンと反応して水酸化物イオンを供給し、酢酸ナトリウムと水酸化物イオンの比率を変化させます。pHの計算は同様に行います。

(2)蒸留水に塩酸またはNaOHを加えた場合のpHの計算

次に、蒸留水に塩酸やNaOHを加えた場合のpHを計算します。

蒸留水のpH

蒸留水のpHは、純水であれば理論的に7です。ただし、微量の水素イオンと水酸化物イオンが存在するため、pHは7に非常に近い値になります。

塩酸(HCl)を加えた場合の計算

1.0 mol/Lの塩酸を0.20 mL加えることで、塩酸の水素イオンが水に溶け、pHが酸性に変化します。水のpHに塩酸を加えると、次のように計算します。

新しい水素イオンのモル数を求め、それを体積で割った値からpHを計算します。

NaOHを加えた場合の計算

1.0 mol/LのNaOHを0.20 mL加えることで、水に水酸化物イオンが供給され、pHはアルカリ性に変化します。水のpHにNaOHを加えると、同様に水酸化物イオンのモル数を求め、pHを計算します。

まとめ:pHの計算方法のポイント

酢酸緩衝液に塩酸やNaOHを加えると、緩衝作用によってpHが変化しますが、その変化の度合いは加える物質の量に依存します。蒸留水に塩酸やNaOHを加える場合、加えた物質のモル数に基づいてpHを計算することが重要です。

緩衝液と蒸留水ではpHの変化の仕方が異なるため、それぞれの計算方法を理解しておくことが必要です。

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