ブレーカーと長距離配線における電圧降下問題の解決方法

工学

電気工事において、長距離配線の電圧降下やブレーカー選定の悩みはよくある問題です。特に冷ケースなどの負荷が高い機器を使用する場合、電圧降下が問題になり、正常に動作しなくなることがあります。この記事では、電圧降下の原因とその対策、ブレーカー選定について詳しく解説します。

1. 電圧降下の原因と影響

長距離配線においては、電流が流れることによって配線抵抗でエネルギーが失われ、その結果として電圧が低下します。例えば、120mの長距離配線で、負荷が高い冷ケースのような機器を使用すると、電圧が大幅に低下し、機器が正常に動作しなくなることがあります。特に、冷ケースの始動時には瞬時に高い電流が流れ、この電圧降下が顕著になります。

2. 配線を太くするだけで解決できるか

配線を太くすることは、電圧降下を軽減するための基本的な対策です。太い配線は抵抗が少なく、長距離でも電流が流れやすくなります。例えば、2.0mm²の配線を使用している場合、より太い配線(例えば、4.0mm²や6.0mm²)に変更することで、電圧降下を防ぐ効果があります。ただし、配線を太くするだけでは完全に解決できない場合もあります。

この場合、配線の長さが非常に長いため、他の要因も考慮する必要があります。例えば、冷ケースの起動電流が37Aに達するため、瞬間的に高い電流を流すことを考慮した設計が求められます。

3. ブレーカーの選定とその対応方法

ELB(漏電遮断器)やモーターブレーカーは、負荷に対する電流が流れすぎないように保護する役割を担います。しかし、冷ケースのように高い始動電流を必要とする機器の場合、ELB20Aのような定格が低いブレーカーでは、瞬時に流れる37Aの電流でブレーカーがトリップする可能性があります。

このような場合、モーターブレーカーを選定することをお勧めします。モーターブレーカーは、モーターなどの負荷が始動時に高い電流を流すことを考慮しており、短時間での高電流を許容するように設計されています。

4. 長距離配線に適した太さの選定

配線の太さを選定する際、電圧降下を防ぐためには、配線の抵抗を最小限に抑える必要があります。特に120mの長距離配線では、太さが重要です。一般的には、長距離配線では4mm²以上の太さが推奨されますが、実際の設計では、使用する機器の消費電力や電流を元に計算することが重要です。

さらに、電圧降下を防ぐために、電流が流れる経路の抵抗をできるだけ低く保つように配慮することが大切です。また、必要に応じて、複数の配線を並行して使用する方法も考慮できます。

5. まとめ

冷ケースなどの高負荷機器を使用する場合、長距離配線による電圧降下や適切なブレーカー選定は非常に重要です。配線を太くすること、モーターブレーカーを使用すること、そして適切な配線サイズを選定することが、問題解決の鍵となります。最終的には、シミュレーションや計算を行い、最適な設計を選ぶことが重要です。

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