直交座標表示とフェーザ表示は、電気回路や信号処理において非常に重要な概念です。特にアドミッタンスやインピーダンスなどの複素数表現を扱う際に、これらの変換を理解することが必要です。本記事では、直交座標表示からフェーザ表示への変換方法と、角度の計算方法について解説します。
直交座標表示とフェーザ表示の基本
直交座標表示は複素数を実部と虚部で表現する方法で、例えば「0.01750 + j0.01516」のように記述されます。一方、フェーザ表示は複素数を極座標で表現したもので、モジュラス(絶対値)とアーギュメント(角度)で示します。フェーザ表示に変換することで、回路解析や信号処理が簡便になります。
直交座標からフェーザ表示への変換方法
直交座標表示「a + jb」をフェーザ表示に変換するためには、まず複素数のモジュラス(絶対値)を求めます。モジュラスは次の式で計算できます。
モジュラス = √(a² + b²)
ここで、aが実部、bが虚部です。次に、角度(アーギュメント)を求めます。角度は、次の式で計算できます。
θ = arctan(b / a)
角度の計算方法:アークタンジェント
アークタンジェント(arctan)は、逆三角関数で、直交座標で表される複素数の角度を求めるために使用されます。「b/a」の値を計算し、それをアークタンジェント関数で計算することで、複素数の偏角(角度)を得ることができます。手計算で行う場合、計算機や電卓のアークタンジェント機能を使って角度を求めます。
例題「0.01750 + j0.01516」の場合、実部aは0.01750、虚部bは0.01516です。モジュラスを求めると。
モジュラス = √(0.01750² + 0.01516²) = √(0.00030625 + 0.00022980) = √0.00053605 ≈ 0.02317
次に、アークタンジェントを使って角度を求めます。
θ = arctan(0.01516 / 0.01750) ≈ arctan(0.866) ≈ 40.9°
まとめ
直交座標表示からフェーザ表示への変換は、モジュラス(絶対値)と角度(アーギュメント)を求めることで行えます。角度の計算は逆三角関数であるアークタンジェントを使用し、計算機や電卓で手軽に求めることができます。実際の問題で「0.01750 + j0.01516」をフェーザ表示に変換する場合も、この手法を使うことで正確な結果が得られます。


コメント