数学的帰納法を使った指数型漸化式の解法:一般項を類推する方法

高校数学

指数型の漸化式を解く際に、数学的帰納法を用いて一般項を導出する方法について解説します。数学的帰納法は、与えられた式が成立することを証明する強力なツールですが、漸化式を解く際にどのように活用すべきか、またそのプロセスにおける注意点について詳しく見ていきましょう。

数学的帰納法とは?

数学的帰納法とは、ある命題がすべての自然数に対して成り立つことを証明する方法です。帰納法は通常、次の2つのステップで構成されます。

  • 基本ステップ:最小の値(通常はn=1)で命題が成り立つことを確認する。
  • 帰納ステップ:命題がn=kで成り立つと仮定したときに、n=k+1でも成り立つことを示す。

このプロセスにより、無限に続く命題がすべて成り立つことを証明できます。指数型の漸化式にもこの方法を使うことができます。

指数型の漸化式とは?

指数型の漸化式は、次のように書かれる形式の式です。

a_n = r * a_{n-1} + f(n)

ここで、rは定数で、f(n)はnに依存する項です。このような漸化式を解くためには、一般項を求める必要があります。一般項を見つける方法には、初項と漸化式に基づく推測を行い、数学的帰納法を使ってその正当性を証明することが有効です。

数学的帰納法を使った指数型漸化式の解法

指数型漸化式を解くための流れを見ていきましょう。たとえば、次のような漸化式を考えます。

a_n = 3a_{n-1} + 2, a_1 = 5

この場合、まずは一般項の形式を予測します。帰納法を使うためには、まず初項からいくつかの項を計算してパターンを見つけます。計算してみると、次のように数項を求めることができます。

a_1 = 5, a_2 = 3a_1 + 2 = 17, a_3 = 3a_2 + 2 = 53, …

このように、数項を計算し、一般項の候補を予測します。ここでは、a_n = 5 * 3^(n-1) + 2n – 1 という形が現れます。

次に、この予測を数学的帰納法で証明します。帰納法のステップを使って、予測が正しいことを示すのです。

数学的帰納法による証明のステップ

1. 基本ステップ:n=1のとき、a_1 = 5 * 3^(1-1) + 2(1) – 1 = 5 となり、最初の項が一致することを確認します。

2. 帰納ステップ:n=kのときにa_k = 5 * 3^(k-1) + 2k – 1 が成り立つと仮定します。そして、n=k+1の場合に式が成り立つことを示します。

そのためには、漸化式の定義に従ってa_{k+1} = 3a_k + 2を使い、a_kの式を代入します。

このようにして、予測した一般項が成立することが証明できます。

まとめ:数学的帰納法を使った漸化式の解法

指数型の漸化式を解く際に、数学的帰納法を使って一般項を証明する方法は非常に効果的です。まずは初項から数項を計算してパターンを見つけ、予測される一般項を帰納法で証明します。この手法により、漸化式を解く際の理解が深まり、解答が明確になります。

数学的帰納法は、無限に続く問題に対して有力な手法であり、指数型の漸化式を解く際にも広く利用されています。問題の解法を学ぶことで、より複雑な漸化式にも対応できるようになります。

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