『梁塵秘抄』に収められた有名な歌、「遊びをせんとや生まれけむ」の歌詞について、その言葉の使い方や意味に関する疑問が寄せられました。特に、歌中の「るれ」や「ゆるがるれ」「ゆるがるる」の違いについて、古典文学の視点から解説します。
「るれ」は「る」の已然形か?
「遊びをせんとや生まれけむ」の歌詞に出てくる「るれ」について、その形態が「る」の已然形であるかどうかが疑問に思われることがあります。実際、ここで使われている「るれ」は、古典文学における「已然形(いぜんけい)」の一形態ではなく、推量や願望を表す意味合いで使われていると考えられます。歌詞全体が願望や推測を表現していることから、この形態の「るれ」は「る」の已然形とは異なり、命令や推量の意味を含んだ表現であると解釈されるべきです。
「ゆるがるれ」と「ゆるがるる」の違い
次に、「ゆるがるれ」と「ゆるがるる」の違いについて考えてみましょう。これらの語形はどちらも「ゆるがる」(揺れる、動く)という動詞の変化形ですが、微妙な意味の違いが存在します。
「ゆるがるれ」は「れ」を付けることで、命令形や推量の意味を強調する役割を持っています。これに対して「ゆるがるる」は、通常の連体形であり、特に強調や命令を意味するものではありません。「ゆるがるれ」の方が感情や動作を強調する傾向があります。
歌詞の意味と文学的背景
この歌詞は、遊び心や人生の自由な在り方を表現したものとして理解されています。ここでの「るれ」の使い方や「ゆるがるれ」「ゆるがるる」の違いは、歌詞の深い意味合いを解釈するための重要なポイントです。
また、歌詞の中で「遊ぶ子供の声」が描かれ、それに対する自分の気持ちが揺れ動く様子が表現されています。ここでは、揺れる心情を「ゆるがるれ」と「ゆるがるる」を使い分けることで、感情の変化や推測のニュアンスを強調しているのです。
まとめ
『梁塵秘抄』の歌詞における「るれ」と「ゆるがるれ」「ゆるがるる」の使い方には、古典文学の中での深い意味が込められています。「るれ」は已然形ではなく、推量や願望の表現であり、「ゆるがるれ」と「ゆるがるる」には意味合いの違いがあります。これらの細かな言葉の使い方が、歌詞の深い解釈に繋がります。


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