店舗の換気設備の設計において、換気量を基に適切な機器の選定は非常に重要です。今回は、換気設備の概算金額の算出方法やファン選定について、特に気をつけるべきポイントを解説します。
換気設備の基本的な計算方法
換気設備の設計においては、まず店舗の面積と用途に基づいて必要な換気量を計算することが重要です。質問者のように、1人当たりの占有面積を元に必要換気量(例えば30m³/h)を求め、その換気量に見合った設備を選定する方法が基本となります。まずは、法令で定められた最低基準(30m³/h)に基づいて計算します。
計算方法としては、店舗の面積や用途に基づき1人当たりの占有面積を割り出し、その人数に応じた必要換気量を求めます。次に、その換気量に対応する送排風機を選定します。しかし、この段階では計算上での換気量に過ぎません。
ファン選定と圧損の考慮
ファン選定において最も重要なのは、ダクトやフィルター、機器による圧力損失を考慮することです。質問者が指摘したように、単純に計算された換気量でファンを選ぶだけでは、実際の設置には足りない場合があります。
圧損は、ダクトの長さ、径、形状、フィルターの有無、その他の設置条件によって異なります。これらの要素を考慮に入れた上で、風量や圧力が十分に確保されるようなファンを選定する必要があります。
レイアウト決定前の設備選定について
店舗のレイアウトが決まっていない状態で換気設備の選定を行う場合、予測に基づく選定が必要です。レイアウトが決まるまでの間、一般的な設置条件を元に概算を立て、後日レイアウトが決まった段階で最終的な調整を行う方法が一般的です。
例えば、一般的な店舗の換気設備では、換気量や風速を基にファンを選定しますが、設置後の圧力損失を確認し、ダクトや機器の調整を行う必要があります。
コロナ禍以降の換気基準について
コロナウイルスの影響で、換気基準に対する考え方が変わり、換気量が増加する傾向にあります。しかし、上司から「30m³/hで良い」と言われた場合、その指示に従うことが求められます。法令上の基準は30m³/hで問題ありませんが、コロナ禍を踏まえてより高い換気量が推奨される場面もあります。
そのため、換気設備の設計時には、施設の実際の利用状況を見ながら適切な換気量を選定することが重要です。
まとめと最終的な選定方法
店舗の換気設備の概算金額を算出する際は、まず必要換気量を計算し、ダクトや圧損を考慮したファン選定を行います。店舗レイアウトが決定していない場合は、仮のレイアウトに基づいて選定を行い、後に調整する方法が一般的です。換気基準に関しては、上司の指示を尊重しつつ、コロナ禍の状況を踏まえて柔軟に対応することが求められます。

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