「10年前に見た月が煎餅のように大きく見えた」とのことですが、これは一体どういうことなのでしょうか？普段は10円玉サイズに見える月が突然、そのサイズが大きくなった理由や、物理的に可能なのかについて解説していきます。
1. 月の見え方は地球の位置や大気の影響を受ける
月の見え方が変わる原因として、まず考えられるのは「視覚的な錯覚」です。月は地球の大気を通過して私たちの目に届きます。その過程で、空気中の水蒸気や微粒子が月光を拡散させ、月が大きく見えることがあります。この現象は「大気の散乱効果」によるもので、特に月が地平線近くにあるときに顕著に見られます。
また、地球と月の距離も月の見え方に影響します。月の軌道は完全な円ではなく楕円形をしており、そのため時々月が地球に近づき、大きく見えることもあります。
2. 「スーパームーン」という現象
月が地球に最も近づくとき、通常よりも大きく、明るく見える現象を「スーパームーン」と呼びます。スーパームーンは年に数回発生し、普段の月よりも約14％大きく、30％明るく見えることもあります。このようなタイミングで月を観察すると、通常の月よりも圧倒的に大きく感じることがあります。
スーパームーンを目撃した可能性も考えられます。もしそのときに月をしっかり観察したのであれば、普段見慣れた10円玉サイズの月と比べて大きく見えたのかもしれません。
3. 視覚的な錯覚：月の大きさの錯覚
月が地平線近くにあるとき、月の大きさが通常よりも大きく見える現象を「月の錯覚」と呼びます。この錯覚は、月の真の大きさが変わるわけではなく、空の広さや地面との比較によって月が大きく見えることから生じます。
特に夜空が澄んでいて、周囲に建物や山があると、その背景と比較して月が大きく見えることがあります。これが「煎餅サイズの月」と感じた理由の一つかもしれません。
4. その他の可能性
また、視覚的な錯覚や月の位置以外にも、他の外的な要因が影響している可能性があります。例えば、カメラのレンズやスマートフォンのカメラで撮影した月の画像が、視覚的に月を大きく見せてしまうこともあります。最近では、カメラで撮った画像をSNSで見る機会が増え、現実よりも大きく見える月を目にすることも多くなっています。
さらに、個々の体調や環境条件も月の見え方に影響を与えることがあります。疲れていたり、睡眠不足だったりすると、月のサイズが普段より大きく見えることもあるかもしれません。
まとめ
結論として、月が煎餅サイズのように大きく見えたのは視覚的な錯覚や大気の影響、または「スーパームーン」の現象による可能性があります。月の見え方は、私たちの目に映る時の条件に大きく影響されるため、特に地平線近くで見た月が大きく感じられることがあります。科学的に見ても、月自体が物理的に大きくなることはなく、視覚的な要因が主な理由です。
コメント