−1×−1=1 を環論で証明する方法

大学数学

「−1×−1=1」という式の証明は、基本的な算数の法則に基づいていますが、環論(代数系の一分野)を使ってこの証明を行う方法について解説します。環論では、数の計算に関する抽象的な性質を扱いますが、ここでは整数の環を用いて具体的な証明を行います。

環論における基本的な定義

まず、環論で扱う「環」の定義を簡単に確認します。環とは、加法と乗法の2つの演算が定義された集合です。環は、加法に関してアーベル群を形成し、乗法に関して結合法則が成立します。さらに、分配法則が成り立つ必要があります。

整数の集合 ℤ はこの環の一例であり、加法と乗法が定義されています。この環の中で「−1×−1=1」を証明するには、整数の乗法に関する基本的な法則を適用します。

−1×−1=1 の証明

整数の環 ℤ において、−1 は加法の逆元であり、加法の単位元は 0 です。このことを踏まえて、−1×−1 の計算を行います。

まず、−1 + 1 = 0という事実を思い出してください。これは、−1 と 1 が互いに加法的逆元であることを示しています。この関係を利用して、−1×−1の計算を行います。

分配法則を使った証明

分配法則を利用して、次のように計算します。

(−1 + 1) × (−1) = −1×−1 + 1×−1

この式で、−1 + 1 = 0 なので左辺は 0 となり、右辺の計算を進めます。

右辺の項は、1×−1 = −1 ですから、次のようになります。

0 = −1×−1 − 1

両辺に 1 を加えることで、1 = −1×−1 となります。したがって、−1×−1 = 1 が成り立ちます。

まとめ

このように、環論を使った証明では、環の基本的な性質である加法の逆元や分配法則を利用して「−1×−1=1」を証明することができます。整数の環 ℤ では、この証明が成立し、−1 と −1 を掛けることで 1 が得られることがわかります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました