連立微分方程式を解く際、固有値問題を利用して解く方法は非常に重要な技法です。特に、y1′ = 2y1 – y2, y2′ = y1という連立微分方程式に対して、その一般解を求める際には固有値を求めることがポイントです。この記事では、連立微分方程式を固有値問題として解く方法をステップバイステップで解説します。
連立微分方程式の設定
与えられた連立微分方程式は、次の通りです。
- y1′ = 2y1 – y2
- y2′ = y1
ここで、y1’とy2’はそれぞれy1とy2の導関数です。これを行列形式に表すことで、固有値問題を解きやすくします。
行列形式に変換する
まず、この連立微分方程式を行列形式に変換します。一般的に、y1とy2の微分方程式は以下のように表現できます。
dy/dt = A * y
ここで、yはベクトル[y1, y2]、Aは係数行列、そしてdy/dtはy1’とy2’を表します。この式を基に、係数行列Aを求めます。連立微分方程式における係数行列は次のようになります。
A = [[2, -1], [1, 0]]
固有値問題の設定
次に、この係数行列Aの固有値を求めます。固有値λは、次の特性方程式を解くことで求めます。
det(A – λI) = 0
ここで、Iは単位行列です。AからλIを引いた行列の行列式がゼロになるλの値を求めます。具体的には、次の式になります。
det([[2-λ, -1], [1, -λ]]) = 0
この行列式を計算すると、固有値λが求められます。
固有値の計算
行列式の計算を行うと、次のような方程式が得られます。
(2 – λ)(-λ) – (-1)(1) = 0
λ^2 – 2λ + 1 = 0
この方程式を解くと、λ = 1が2重解となることが分かります。したがって、固有値λは1です。
固有ベクトルの計算
次に、固有ベクトルを求めます。固有値λ = 1に対応する固有ベクトルvを求めるために、次の連立方程式を解きます。
(A – λI) * v = 0
これを計算することで、固有ベクトルvが得られます。
一般解の求め方
固有値と固有ベクトルが求まったら、一般解は次のように書けます。
y(t) = c1 * v1 * e^(λ1 * t) + c2 * v2 * e^(λ2 * t)
ここで、c1、c2は任意定数、v1、v2は対応する固有ベクトル、λ1、λ2は対応する固有値です。これにより、連立微分方程式の一般解を得ることができます。
まとめ
連立微分方程式y1′ = 2y1 – y2、y2′ = y1の一般解を求める方法は、まず行列形式に変換し、次に固有値問題を解くことで求めます。固有値と固有ベクトルを計算することにより、最終的に一般解を得ることができます。この方法をしっかり理解することで、他の連立微分方程式にも応用が可能となります。


コメント