決定木アルゴリズムは、目的変数が連続的な値である回帰問題においても広く使用されています。連続的な目的変数を持つデータに対して、決定木でどのように条件を決定するのか、また目的変数の分布が左右対称でない場合に必要な前処理について解説します。
決定木アルゴリズムでの条件選択
決定木では、特徴量に基づいて条件を選択するために、各特徴量のスプリットによる分割の「純度」を計算します。回帰木の場合、この純度は「分割前後の目的変数の分散」を基に評価されます。具体的には、目的変数が連続値の場合、決定木は特徴量ごとに複数のスプリット候補を評価し、分散が最も減少するスプリットを選択します。これにより、より正確な予測が可能になります。
目的変数が左右対称でない場合の前処理
目的変数の分布が左右対称でない場合、モデルの精度や結果に影響を与えることがあります。特に、目的変数が右に長い尾を持つ(右に偏った分布を持つ)場合、決定木アルゴリズムが適切にデータを分割できないことがあります。こうした場合の前処理方法としては、目的変数の対数変換や平方根変換を行い、分布を正規分布に近づけることが有効です。これにより、モデルがより効果的に学習できるようになります。
その他の前処理手法
また、データのスケーリングや外れ値の処理も重要な前処理ステップです。特に、決定木は外れ値に敏感であり、極端に大きな値が含まれていると、分割基準に影響を与えることがあります。外れ値を除外または調整することで、決定木の性能を改善できます。
まとめ
決定木アルゴリズムで連続数の目的変数を扱う際、分布に基づいた適切な前処理が必要です。目的変数の分布が偏っている場合は、対数変換や平方根変換などで正規化し、外れ値の処理を行うことが、モデルの精度向上に寄与します。これらの手法を用いることで、回帰問題における決定木の性能を最大限に引き出すことが可能となります。


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