並列接続された抵抗回路において、電圧がかかるとそれぞれの抵抗に電流が流れます。しかし、電流の分配や部分的な抵抗の影響について理解することは、回路解析において非常に重要です。本記事では、並列抵抗回路における特定の点間(点Pと点Q)に流れる電流を求める方法について詳しく解説します。
並列接続された抵抗回路の基本
まず、並列接続された抵抗回路の基本的な概念を確認しましょう。並列接続では、抵抗が複数並べられており、各抵抗に同じ電圧がかかります。電流はそれぞれの抵抗に分かれ、各抵抗に流れる電流はオームの法則を使って計算できます。
今回の問題では、2つの抵抗AとBが並列に接続されており、両端に80Vの直流電圧がかかっています。それぞれの抵抗は1cmあたり2Ωであり、長さが30cmです。
オームの法則による計算
オームの法則を用いると、電流は次の式で求められます。
I = V / R
ここで、Iは電流(アンペア)、Vは電圧(ボルト)、Rは抵抗(オーム)です。まず、それぞれの抵抗の値を求めます。
抵抗AとBは30cmの長さを持ち、それぞれの長さに対して抵抗は1cmあたり2Ωですので、各抵抗の全体的な抵抗値は次のように求められます。
R_A = R_B = 2Ω × 30cm = 60Ω
次に、並列回路での合成抵抗を求めます。並列接続の合成抵抗は、次の式で計算できます。
1 / R_{合成} = 1 / R_A + 1 / R_B
これを計算すると。
R_{合成} = 30Ω
点Pと点Q間の電流を求める
次に、問題となる点Pと点Qの間に流れる電流を求めます。点Pは抵抗Aの左から10cmの位置、点Qは抵抗Bの左から20cmの位置です。これらの位置から、それぞれの部分抵抗を計算し、それぞれに流れる電流を求めます。
抵抗Aの左から10cmの部分に流れる抵抗は。
R_{A,10cm} = 2Ω × 10cm = 20Ω
抵抗Bの左から20cmの部分に流れる抵抗は。
R_{B,20cm} = 2Ω × 20cm = 40Ω
これらの部分抵抗を使って、それぞれの電流を計算できます。まず、各部分の電流はオームの法則を使って求めます。
I_{A,10cm} = V / R_{A,10cm} = 80V / 20Ω = 4A
I_{B,20cm} = V / R_{B,20cm} = 80V / 40Ω = 2A
導線接続後の電流の分配
点Pと点Qを導線で接続すると、そこに流れる電流は、点Pから点Qまでの部分での電位差を基に計算されます。PQ間の電位差は、AとBでの抵抗の割合に基づいて決まります。最終的に、PQ間には1Aの電流が流れることが確認できます。
まとめ
並列回路における電流の分配は、オームの法則と部分抵抗を理解することによって計算できます。今回の問題では、点Pと点Q間に1Aの電流が流れることが確認できました。回路解析において、各抵抗にかかる電圧や電流を適切に計算することが重要です。


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