数学の点列に関する基本的な命題の一つに、もし点列{xn}がある値x0に収束するならば、その部分列xnkもx0に収束するというものがあります。この命題の証明方法とその理由について解説します。
点列の収束の定義
まずは、点列が収束するとはどういうことかを確認しましょう。点列{xn}がx0に収束するとは、任意のε>0に対して、十分大きなnに対して|xn – x0| < εとなるnが存在することを意味します。
言い換えると、nが増えるごとにxnはx0に近づき、最終的にx0に収束するということです。
部分列とは?
部分列とは、元の点列{xn}からいくつかの項を選び出してできる新しい点列です。部分列xnkは、元の点列の中で特定の順番で選ばれた項で構成されます。
たとえば、点列{xn}が{1, 1/2, 1/3, 1/4, …}だとすると、部分列xnkは{1, 1/3, 1/5, …}のように、元の点列の一部の項を取り出して作ることができます。
部分列も収束する理由
点列{xn}がx0に収束する場合、その部分列xnkもx0に収束する理由は、部分列の項が点列の項と同じようにx0に近づくからです。
具体的には、点列がx0に収束するので、任意のε>0に対して、十分大きなnに対して|xn – x0| < εが成り立ちます。このように、部分列xnkの各項も、元の点列{xn}の項であるため、最終的にx0に収束することになります。
証明方法の詳細
証明は次のように進めます。
1. 点列{xn}がx0に収束するならば、任意のε>0に対して、十分大きなnに対して|xn – x0| < εが成り立つ。
2. 部分列xnkの各項は元の点列{xn}の項であり、xnkの項が元の点列におけるxnの項に対応するため、部分列xnkもx0に収束する。
3. したがって、任意のε>0に対して、部分列xnkの各項がx0に近づくため、部分列もx0に収束する。
具体例で確認
例えば、点列{xn} = {1, 1/2, 1/3, 1/4, …}がx0 = 0に収束するとします。この点列から部分列xnkを取ると、例えばxnk = {1, 1/3, 1/5, …}となります。この部分列も、元の点列と同様に0に収束します。
したがって、点列が収束するならば、その部分列も収束するという命題が成り立つことが確認できます。
まとめ
点列{xn}がx0に収束するならば、その部分列xnkもx0に収束することが分かりました。この命題は、収束の定義に基づき、部分列の項が元の点列と同様にx0に近づくため、自然に成り立つことが理解できたかと思います。


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