複素関数 f(z) = |z|/z において、z = 0 で微分可能かどうかを確かめる問題です。本記事では、微分可能の定義に基づいて、z = 0 の点で f(z) が微分可能かを詳しく解説します。
1. 微分可能の定義
まず、複素関数が微分可能であるための定義をおさらいします。z = 0 で f(z) が微分可能であるためには、次の極限が存在する必要があります。
lim(h→0) [(f(z+h) – f(z))/h] = L という形で極限値 L が存在すれば、f(z) はその点で微分可能であり、L がその点での導関数です。
2. 問題設定の関数 f(z)
ここで与えられた関数は次の通りです。
f(z) = |z|/z, z ≠ 0
f(0) = 0(z = 0のときは0と定義)
この関数が z = 0 で微分可能かを調べるために、まず f(z) の定義に従って、z = 0 での極限を計算します。
3. 微分可能かどうかの判断
z = 0 での微分可能性を確かめるためには、次のように極限を計算します。
lim(h→0) [(f(h) – f(0))/h] = lim(h→0) [(|h|/h – 0)/h] = lim(h→0) [|h|/h²]
ここで注意すべきは、|h| は h の絶対値であり、h が0に近づくときに無限大に発散する点です。実際、この式は h が正または負かに関わらず、無限大に発散するため、この極限は存在しません。
4. 結論:f(z) は微分不可能
したがって、f(z) = |z|/z は z = 0 で微分可能ではありません。微分可能性を確かめるための極限が存在しないため、z = 0 の点では導関数が定義されません。
5. まとめ
複素関数 f(z) = |z|/z は、z = 0 において微分不可能であることがわかりました。これは、微分可能性の定義に従って計算した結果、z = 0 における極限が発散するためです。このようなケースでは、関数が微分可能でないことが判明します。


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