数IIIの極限の問題では、片側極限と両側極限を使い分けることが求められることがあります。これらの使い分けは、問題の内容や関数の振る舞いに基づいています。この記事では、片側極限と両側極限の使い分けについて解説し、具体的なケースにおける適切な方法を紹介します。
1. 両側極限とは?
両側極限は、関数の値が点に近づく際、点の両側からのアプローチを考えた極限です。具体的には、xがある値に近づくとき、xがその値より大きくなる方向と小さくなる方向の両方からの値を比べます。これにより、関数の振る舞いを全面的に捉えます。
例えば、関数f(x) = x^2の場合、xが0に近づくとき、両側からの極限は共に0になります。このように、両側極限は通常、関数がその点で連続しているかどうかを確認するために使われます。
2. 片側極限とは?
片側極限は、関数の値が点に近づく際、片方の方向からのアプローチだけを考える極限です。つまり、xがある値に近づくとき、xがその値より大きくなる一方向(右側)または小さくなる一方向(左側)からの値を見ます。
片側極限は、関数が定義されていない場合や、関数の振る舞いが左右で異なる場合に使用されます。例えば、x = 0で定義されていない場合や、分数関数で分母が0になる場合などです。
3. 使い分けの実際の例
では、どのような場合に片側極限を使い、どのような場合に両側極限を使うのでしょうか?例えば、絶対値関数f(x) = |x|の場合、x=0では両側極限は0に収束します。しかし、分数関数で分母にxが含まれていて、xが0に近づく場合、xの左右で挙動が異なるため、片側極限が必要になります。
具体的には、関数f(x) = 1/xのx=0での極限は片側極限を使って求めます。右から近づく場合、極限は正の無限大、左から近づく場合、極限は負の無限大になります。この場合、両側極限は存在しませんが、片側極限はそれぞれ異なる値を取ります。
4. まとめ:片側極限と両側極限の使い分け
片側極限と両側極限は、関数がどのように振る舞うかに応じて適切に使い分ける必要があります。連続関数や単純な極限では両側極限を使用し、関数の定義域や挙動に不連続や片側からのアプローチが求められる場合には片側極限を使用します。
問題を解く際には、関数の振る舞いや与えられた条件に注意して、どちらの極限が適切かを判断しましょう。


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