今回は、完全微分形の微分方程式を解く方法について解説します。具体的な問題として、次の2つの微分方程式を解いていきます。
1. (xy^2 – cos(x))dx + x^2 y dy = 0
2. (x^2 + y + 1)dx – x dy = 0
完全微分方程式の基本的な考え方
完全微分形の微分方程式とは、通常次のような形をしています。
M(x, y) dx + N(x, y) dy = 0
このような式が完全微分方程式であるためには、M(x, y)とN(x, y)がそれぞれの変数に関して微分可能で、次の条件を満たさなければなりません。
∂M/∂y = ∂N/∂x
問題(1)の解法:xy^2 – cos(x) dx + x^2 y dy = 0
まず、問題(1)の微分方程式は次のようになります。
(xy^2 – cos(x)) dx + x^2 y dy = 0
この式を完全微分形として解くために、まずはM(x, y)とN(x, y)をそれぞれ取り出します。
M(x, y) = xy^2 – cos(x)
N(x, y) = x^2 y
次に、MとNをそれぞれxとyで微分して、次の条件を確認します。
∂M/∂y = 2xy
∂N/∂x = 2xy
これらが一致しているため、この方程式は完全微分形であり、解くことができます。次に、MとNに関して積分を行い、解を求めます。
問題(2)の解法:(x^2 + y + 1)dx – xdy = 0
次に問題(2)の微分方程式を解きます。
(x^2 + y + 1)dx – xdy = 0
まず、M(x, y)とN(x, y)を取り出します。
M(x, y) = x^2 + y + 1
N(x, y) = -x
次に、MとNをそれぞれxとyで微分して、完全微分方程式であるか確認します。
∂M/∂y = 1
∂N/∂x = -1
これらが一致しないため、この方程式は完全微分形ではありません。しかし、適切な方法(例えば、積分因子を使う)を使って解くことができます。
解法のまとめ
完全微分方程式を解くためには、まずその微分方程式が完全微分形であるかを確認し、次にそれに適した積分を行います。問題(1)は完全微分形であるため、M(x, y)とN(x, y)の積分を行って解を求めることができました。問題(2)は完全微分形ではないため、別の方法を使って解を求める必要があります。


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