NaH2PO4とNa2HPO4を用いたpH 7.4の緩衝液の作成方法と計算手順

化学

pH調整を行う際、緩衝液は非常に重要な役割を果たします。特に、生化学や化学実験において、特定のpHを維持するために緩衝液が用いられます。今回は、NaH2PO4とNa2HPO4を使ってpH 7.4の緩衝液を調製する方法について、ヘンダーソン-ハッセルバルクの式を用いて計算する方法を解説します。

ヘンダーソン-ハッセルバルクの式とは?

ヘンダーソン-ハッセルバルクの式は、酸とその共役塩基を用いた緩衝液のpHを計算するために使われます。この式は次のように表されます。

pH = pKa + log([A-]/[HA])、ここでは酸の解離定数、[A-]は共役塩基(Na2HPO4)、[HA]は酸(NaH2PO4)のモル濃度を示します。この式を使用して、緩衝液中のpHを調整するために必要な塩基と酸の比率を求めることができます。

問題設定とヘンダーソン-ハッセルバルクの式の適用

まず、与えられた情報を確認しましょう。問題では、pHが7.4、NaH2PO4のモル濃度が50 mMとされています。この条件で、Na2HPO4のモル濃度を求める必要があります。

ヘンダーソン-ハッセルバルクの式に基づいて、以下のように計算を行います。与えられた式

から、[Na2HPO4]と[NaH2PO4]の比率を求めることができます。

計算手順

ヘンダーソン-ハッセルバルクの式において、pHと酸のモル濃度が与えられた状態で、次の手順で計算を行います。

1. 式をpH = 7.2 + log([Na2HPO4]/[NaH2PO4])に設定します。

2. pHが7.4であるため、式は7.4 = 7.2 + log([Na2HPO4]/50 mM)となります。

3. これを解くと、log([Na2HPO4]/50 mM) = 0.2 となり、[Na2HPO4]/50 mM = 10^0.2 です。

4. 計算の結果、[Na2HPO4]のモル濃度は約63.1 mMとなります。

緩衝液の調製方法

これで、Na2HPO4のモル濃度が約63.1 mMであることがわかりました。実際に緩衝液を調製するためには、次の手順を踏みます。

1. NaH2PO4を50 mMの濃度に調整します。

2. Na2HPO4を63.1 mMの濃度に調整します。

3. 両者を混ぜて、最終的にpH 7.4になるように調整します。pHを測定し、必要に応じて微調整を行います。

まとめ

NaH2PO4とNa2HPO4を用いてpH 7.4の緩衝液を調製するためには、ヘンダーソン-ハッセルバルクの式を活用して、適切なモル濃度比を計算することが重要です。今回の計算により、Na2HPO4のモル濃度が約63.1 mMであることがわかり、この値を用いて緩衝液を作成することができます。緩衝液の調製には精密な計算と調整が必要ですが、正確なpHを得るためには重要な手順です。

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