非接地系の零相電圧の最大値とその計算について

工学

非接地系電力システムにおいて、零相電圧(V0)の最大値に関する疑問を持つ方が多いです。特に、地絡事故時に発生する零相電圧の挙動について、理解が不十分であると感じることがあります。この記事では、非接地系と接地系の違いを踏まえた上で、零相電圧の最大値がどのように変化するのか、またその計算に関する基本的な考え方を解説します。

非接地系と接地系の基本的な違い

まず、接地系と非接地系の違いを簡単に理解しておくことが重要です。接地系では、システムの一部または全てが地面に接続されており、地絡事故が発生した際には、その影響が地面を介して伝わります。一方、非接地系では、地絡が発生してもシステム全体が地面に接続されていないため、地絡電流が地面に流れることがありません。このため、非接地系では健全相の電圧上昇など、特有のリスクが発生します。

このような違いにより、非接地系では健全相の対地電圧上昇が懸念されますが、零相電圧(V0)の最大値についても異なる挙動を示します。

零相電圧の計算とその最大値

零相電圧は、システム内の各相の電圧の合成であり、通常、地絡が発生した場合に問題となります。接地系システムでは、零相電圧が簡単に計算できますが、非接地系の場合、地絡点の抵抗値やシステムの配置によって、零相電圧の挙動が変化します。

質問にあるように、通常、零相電圧は線間電圧を√3で割った値になると理解されています。しかし、実際の非接地系システムでは、地絡事故が発生した場合、零相電圧が線間電圧よりも高くなる場合があります。これは、地絡箇所の抵抗値やシステムの応答により、電圧の分配が異なるためです。特に6600Vの非接地系では、地絡時にV0が4200V程になることがあり、これは非接地系システム特有の挙動と言えます。

地絡事故時の挙動とその原因

地絡事故が発生した際、非接地系のシステムでは、地絡箇所の抵抗値がシステムに大きな影響を与えることがあります。この抵抗値が低い場合、地絡電流が大きく流れ、零相電圧が急激に上昇することがあります。そのため、通常の計算式では予測できない挙動が見られることがあります。

質問にあった6600Vの非接地系システムで、地絡事故時にV0が4200Vになった理由も、地絡点の抵抗や他の要因が影響を与えた結果です。このようなケースでは、地絡箇所の影響を考慮した上で、零相電圧の最大値を求める必要があります。

結論と実際の計算方法

非接地系における零相電圧(V0)の最大値については、線間電圧➗√3の計算式が一般的ですが、実際のシステムでは地絡点の抵抗やシステムの特性により、これを超えることがあります。特に地絡事故が発生した場合、システム全体の電圧分配や地絡点の影響を十分に考慮する必要があります。

したがって、非接地系の零相電圧については、単純な計算だけではなく、実際のシステム特性を考慮した詳細な分析が求められます。

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