『枕草子』は、平安時代の女性作家、清少納言によって書かれた日本の古典文学の名作です。その中で使われている文法や語句は、現代日本語とは異なるため、学習する際には少し難解に感じることがあります。この記事では、『枕草子』の「雪のいと高う降りたるを」と「笑はせたまふ」の文法について、特に「たる」の連体形と「笑は」の已然形について解説します。
「たる」の連体形について
『枕草子』に登場する「雪のいと高う降りたるを」の「たる」は、連体形として使われています。連体形は、名詞に直接つながって、その名詞を修飾する形態です。この場合、「たる」は動詞「たる(なる)」の連体形で、動作や状態を名詞に結びつけています。
「雪のいと高う降りたるを」の「たる」は、「降りたる」が名詞「雪」を修飾しており、「降りたる雪」という意味になります。現代語で言うと「降り積もった雪」のように解釈することができます。このように、古語の連体形は、動詞が名詞にかかる際に使われることが多いです。
「笑はせたまふ」の已然形について
次に「笑はせたまふ」の「笑はせ」は、已然形として用いられています。已然形は、動詞の活用の一つで、ある状態が既に起こったことを示す形です。「笑はせたまふ」の「笑はせ」は、「笑う」の使役形「笑わす」に、さらに尊敬語の助動詞「たまふ」がついています。
「笑はせたまふ」は、「笑わせなさる」という意味で、他者に笑わせるという行為が、尊敬の意を込めて表現されています。これは、古典文学でよく見られる表現方法で、人物や行為に敬意を示すために使われます。
連体形と已然形の違い
連体形と已然形は、古語の活用形の中でも特に重要な形です。連体形は名詞にかかる形で使われ、已然形は既に完了した状態を示す形です。『枕草子』の「たる」と「笑はせたまふ」では、これらの活用形が異なる文法的な役割を果たしていることがわかります。
「たる」は名詞を修飾するために使われ、状態や動作を説明する役割を果たし、「笑はせたまふ」は他者に対する敬意を示すために使われています。このように、古典文学における文法は、現代語のものとは異なるため、注意深く学ぶことが必要です。
まとめ
『枕草子』の「雪のいと高う降りたるを」や「笑はせたまふ」のような表現は、古典文学を学ぶ上で大切な文法の理解を深めるための良い例です。「たる」の連体形と「笑はせたまふ」の已然形は、それぞれ名詞の修飾や尊敬語を表現するために使われており、古典文学を読む際に重要な役割を果たします。これらの基本的な文法の理解を深めることで、さらに多くの古典文学を楽しむことができるようになるでしょう。


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