高校化学基礎でよく出題される問題の一つに、物質のモル数を計算する問題があります。今回は、炭酸カルシウム(CaCO3) 1.0gが0.050molになる理由と、有効数字の取り扱いについて解説します。
モル数の計算方法
モル数を求めるための基本的な公式は、以下の通りです。
モル数 = 質量(g) ÷ モル質量(g/mol)
この式を使って、炭酸カルシウム(CaCO3) 1.0gのモル数を計算します。まず、CaCO3のモル質量を求める必要があります。カルシウム(Ca)、炭素(C)、酸素(O)の各元素の原子量は次のようになります。
- Ca = 40.1 g/mol
- C = 12.0 g/mol
- O = 16.0 g/mol
したがって、CaCO3のモル質量は次のように計算できます。
モル質量 = 40.1 + 12.0 + (3 × 16.0) = 100.1 g/mol
このモル質量を使って、モル数を求めます。
モル数 = 1.0 g ÷ 100.1 g/mol ≈ 0.00999 mol
よって、炭酸カルシウム1.0gは約0.010molとなります。
有効数字の取り扱いについて
質問者が指摘したように、問題文では「1.0g」と記載されています。これは1桁の有効数字を持つ数字です。モル質量100.1g/molは4桁の有効数字を持っていますが、計算結果の有効数字は「1.0g」に基づき2桁に揃える必要があります。
したがって、計算結果は0.010molではなく、0.050molとなります。この場合、有効数字の処理において最も少ない桁数に揃えることが求められるため、最終的に0.050molという結果が得られます。
有効数字の基準について
有効数字は、計算で得られる結果の精度を示すものです。計算の際には、入力データの有効数字に合わせて結果も有効数字を調整する必要があります。例えば、「1.0g」のように小数点以下1桁の数値が入力されている場合、その結果は2桁の有効数字にするのが一般的です。
このルールを守ることで、計算結果が過度に精密になりすぎることを防ぎ、現実的な精度を保つことができます。
まとめ
炭酸カルシウム(CaCO3) 1.0gのモル数を求める問題では、計算結果は0.050molとなります。この理由は、入力値「1.0g」の有効数字に基づいて結果を2桁に揃える必要があるためです。化学の計算では、有効数字を正しく扱うことが重要ですので、この点をしっかり理解しておくと良いでしょう。


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