確率の問題で「見分けのつかないコイン」を用いる、という条件が出てくると戸惑う人は多いでしょう。実際、表と裏の区別だけでなく、どちらのコインがどちらかを区別できるかどうかで確率の数え方が変わります。この記事では、コイントスの確率を題材に「見分けのつかないコイン」という条件の意味と解き方を分かりやすく整理します。
見分けのつかないコインとは何か
「見分けのつかないコイン」とは、2枚のコインが同一のものであり、トスした後にどちらが1枚目でどちらが2枚目かを区別できない状況を指します。たとえば、通常のコイン2枚を同時に投げて、結果が「表・裏」になったとき、区別できる場合には「1枚目が表、2枚目が裏」と「1枚目が裏、2枚目が表」の2通りがあります。しかし、見分けがつかない場合はそれらを区別せず1通りとして扱います。
このように「見分けのつかない」という条件は、結果の数え上げに影響を与えるのです。
区別できる場合とできない場合の違い
コインを区別できる場合の標準的な結果は4通りです。
- 表・表
- 表・裏
- 裏・表
- 裏・裏
一方で、見分けがつかない場合には次の3通りに簡約されます。
- 表・表
- 表・裏(裏・表と同一とする)
- 裏・裏
この違いが「見分けのつかないコイン」と問題文に書かれる理由です。
「少なくとも一方が表」で条件付き確率を考える
問題文にある「少なくとも一方が表」という条件を満たすのは、次のケースです。
- 表・表
- 表・裏
したがって、このときもう一方も表である確率は、全体(表・表、表・裏の2通り)に対して、表・表(1通り)が選ばれる確率なので、1/2となります。
見分けの有無で確率が変わる?
実は、区別できる場合でも「少なくとも一方が表」という条件を加えると、同じく「表・表」「表・裏」「裏・表」が残ります。3通りのうち「表・表」は1通りなので確率は1/3となり、見分けの有無で答えが異なります。ここがこの問題の学習上のポイントです。
したがって「見分けのつかない」と条件を指定するのは、問題制作者が意図した確率の数え方を明確にするためなのです。
具体的なイメージ例
例えば「サイコロを2個振る」場合、サイコロの色や番号で区別できるなら36通りの結果があります。しかし「同じサイコロで区別できない」場合は、(1,2)と(2,1)を同じ結果と数えるので21通りになります。これと同じ考え方が「コインが見分けられない」という条件に反映されているのです。
まとめ
「見分けのつかないコイン」という条件は、確率の数え方に大きな影響を与えるものです。区別できる場合とできない場合では答えが変わり得るため、問題文で指定される条件を正しく解釈することが大切です。今回の例では、「少なくとも一方が表」となる条件下で答えは1/2となり、この理解が確率論を学ぶ上で重要なステップとなります。


コメント