高校生の科学の問題でよく出題される「NH3分子が10.2gあるときH原子は何個か」という問題について解説します。ここでは、物質量とアボガドロ数を用いて、H原子の個数を求める方法を紹介します。
1. 問題の理解と必要な情報
問題文における「NH3分子が10.2g」という情報は、アンモニア分子(NH3)の質量が10.2gであることを示しています。アンモニア分子の中には水素(H)原子が3個含まれています。
まず、この問題を解くために必要な情報を整理しましょう。
- アンモニア分子(NH3)のモル質量は17g/mol(1モルのNH3分子が17g)。
- アボガドロ数(1モルあたりの粒子の数)は6.022×1023個。
- 水素原子は1分子のNH3につき3個含まれている。
2. アンモニア分子のモル数を求める
次に、アンモニア分子10.2gが何モルに相当するかを計算します。モル数は以下の式で求めることができます。
モル数 = 質量(g) ÷ モル質量(g/mol)
モル数 = 10.2g ÷ 17g/mol = 0.6 mol
したがって、0.6モルのアンモニア分子が存在します。
3. 水素原子の数を求める
次に、0.6モルのアンモニア分子中に含まれる水素原子の個数を求めます。1モルのアンモニア分子には3個の水素原子が含まれているため、0.6モルのNH3分子中には以下の数の水素原子が含まれます。
水素原子の個数 = 0.6 mol × 3個/分子 = 1.8 molの水素原子
水素原子の個数をアボガドロ数を使って求めるために、アボガドロ数(6.022×1023個/mol)を掛け算します。
水素原子の個数 = 1.8 mol × 6.022×1023個/mol = 1.08×1024個
4. 結果
よって、NH3分子10.2g中の水素原子の数は、1.08×1024個となります。
まとめ
この問題では、物質量とアボガドロ数を使用して水素原子の個数を求めました。まず、与えられた質量からモル数を求め、次に1モルあたりの水素原子の数を掛け合わせることで、最終的な答えを得ることができました。このような計算方法は、化学の問題を解く際に非常に重要です。


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