1トンの蒸気を作るために必要なガス量を計算する方法【ボイラーの効率と条件別】

ボイラーを使って1トンの蒸気を作るためには、必要なガスの量を計算する必要があります。今回は、条件をもとに必要なガスの量を計算する方法について解説します。

基本的な計算方法

1トンの蒸気を作るために必要なガスの量は、ボイラーの効率、蒸気圧、給水温度などの条件によって異なります。以下の計算式を使って、必要なガス量を求めることができます。

まず、必要なエネルギー量を計算します。蒸気のエネルギー量は、以下の式で求められます。

Q = m × (h2 – h1)

ここで、Qは必要なエネルギー量（kJ）、mは蒸気量（kg）、h2は蒸気のエンタルピー（kJ/kg）、h1は給水のエンタルピー（kJ/kg）です。

蒸気圧が0.8MPaの場合、蒸気のエンタルピー（h2）と給水のエンタルピー（h1）は、蒸気表から求めることができます。蒸気表を使って、圧力0.8MPaの蒸気のエンタルピー値を調べ、計算に使用します。

一般的に、0.8MPaの飽和蒸気のエンタルピーは約2800kJ/kg、給水温度30℃でのエンタルピーは約125kJ/kgです。

次に、ボイラー効率を考慮に入れる必要があります。ボイラーの効率が95%であれば、実際に必要なエネルギー量は、計算したエネルギー量を効率で割った値となります。

例えば、計算した必要エネルギー量が1000kJだとすると、ボイラー効率95%を考慮して実際のエネルギー量は以下のように求められます。

実際のエネルギー量 = 1000kJ ÷ 0.95 = 1052.63kJ

最終的に必要なガスの量は、ガスのエネルギー密度を用いて求めます。例えば、都市ガスのエネルギー密度が約35MJ/m³の場合、必要なガスの量は以下のように計算できます。

必要なガスの量 = 実際のエネルギー量 ÷ ガスのエネルギー密度

この計算で求めたガス量が、1トンの蒸気を作るために必要なガス量となります。

1トンの蒸気を作るために必要なガスの量は、ボイラーの効率、蒸気圧、給水温度などの条件を考慮して計算できます。計算方法としては、まず必要なエネルギー量を求め、その後ボイラー効率やガスのエネルギー密度を考慮して最終的なガスの量を求めます。正確な計算を行うことで、効率的にガスを使用することができます。