論理式における存在記号と空集合の関係

大学数学

論理学の問題において、特に「存在記号 ∃」を使った命題の表現方法は、数学的な概念や集合論において非常に重要です。今回は、「φを空集合とする」という前提のもとで、特定の論理式が的確に表現できるかどうかを考えます。

問題の背景と与えられた選択肢

質問は「∃x(x≠φ)」を適切に表現する論理式を選ぶ問題です。ここで、φは空集合を示しています。この式は、「xが空集合でない何らかのものが存在する」という命題を意味しています。

与えられた選択肢は以下の通りです。

  • ①∃x(¬∀y(y∉x))
  • ②∃x(∀y((∀z(z∉y))→x≠y))
  • ③∀z((∀x(x∉z))→(∃x(x≠z)))

それぞれの選択肢を分析し、適切なものを選びます。

選択肢①の解析

選択肢①の「∃x(¬∀y(y∉x))」は、xが存在して、その中に少なくとも1つのyが含まれていないという意味です。これは空集合ではなく、xが少なくとも1つの要素を含んでいる場合に成立するため、「x≠φ」という命題に対する適切な表現とは言えません。

選択肢②の解析

選択肢②「∃x(∀y((∀z(z∉y))→x≠y))」は、xが存在して、その中で全てのyに対して、yがzを含まないならばxがyと等しくないという命題です。この式も「x≠φ」という表現を含んでいますが、冗長で複雑であり、直感的に「x≠φ」という単純な命題を表現するには適切ではありません。

選択肢③の解析

選択肢③「∀z((∀x(x∉z))→(∃x(x≠z)))」は、「任意のzに対して、zに含まれるxがないならば、x≠zとなるxが存在する」と解釈できます。これは「x≠φ」という命題を満たす式として成立し、最も簡潔で論理的に適切な表現です。

まとめ

今回の問題において、「∃x(x≠φ)」を的確に表現する論理式は、選択肢③が正解です。選択肢③は、xが空集合でないことをシンプルに表現しており、論理的にも明確です。

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