実体顕微鏡は理科実験や工芸分野でよく利用される観察機器で、低倍率で立体的に対象を観察できる点が特徴です。今回のように1/6スケールのフィギュアの顔(約3cmの大きさ)を観察する際には、全体が視野に収まる倍率を選ぶことが重要になります。
実体顕微鏡の倍率の仕組み
実体顕微鏡の倍率は、対物レンズ倍率と接眼レンズ倍率の組み合わせによって決まります。たとえば、1倍の対物レンズと10倍の接眼レンズを使えば合計10倍になります。通常の実体顕微鏡は2倍〜40倍程度までの倍率を切り替えて使用できる機種が多いです。
倍率が高すぎると対象の一部しか見えなくなるため、全体を確認したい場合は低倍率を選ぶ必要があります。
3cmの対象を全体表示する倍率
実体顕微鏡の視野は、倍率が低いほど広くなります。一般的な10倍の倍率では、視野直径が2cm〜3cm程度になることが多く、ギリギリで顔全体が収まるかどうかという大きさです。より確実に観察するなら5倍〜7倍程度の低倍率が適しています。
例えば、5倍程度の倍率であれば視野直径が4cm以上になるため、3cmの対象が余裕を持って観察できます。
具体的な倍率の目安
- 5倍前後:顔全体を楽に視野に収められる
- 7倍〜10倍:顔全体が収まりつつ細部もある程度見える
- 15倍以上:顔全体は収まらず、部分的な観察に向いている
したがって「全体像を確認したい」のか「細部の質感を見たい」のかによって倍率を使い分けると便利です。
応用:フィギュア塗装や検品での利用
フィギュア塗装や完成品のチェックでは、まず5倍程度で全体を確認し、その後20倍前後に切り替えて細部の塗装ムラや表面処理を確認する方法がよく用いられます。実体顕微鏡は倍率を切り替えながら観察できるため、用途に合わせて柔軟に対応できます。
まとめ
3cm程度のフィギュアの顔を実体顕微鏡で全体的に観察する場合は、5倍〜7倍程度の低倍率が最適です。その上で、細かい部分を確認したいときに10倍以上へ切り替えると、観察の幅が広がります。目的に応じた倍率選びが観察のポイントです。
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