水素(H2)と窒素(N2)を反応させてアンモニア(NH3)を生成する反応は、化学反応における重要な例の一つです。この反応が平衡に達したときの平衡定数を求めるために必要な情報を整理し、実際に計算方法を解説します。
反応式と条件の整理
まず、反応式を確認しましょう。水素と窒素が反応してアンモニアを生成する反応は次の通りです。
3H2 + N2 ⇌ 2NH3
今回の問題においては、以下の条件が与えられています。
- 水素:3.0 mol
- 窒素:1.0 mol
- 生成したアンモニア:1.2 mol
- 容積:2.5 L
- 反応が平衡に達した時点でのアンモニアのモル数:1.2 mol
反応の進行と平衡の計算
まず、反応が進行する過程を考えます。反応開始時に水素と窒素がそれぞれ3.0 mol、1.0 mol存在しており、反応が進行していくにつれて、アンモニアが生成されます。生成されるアンモニアの量が1.2 molであることから、反応の進行具合を計算します。
反応の係数に基づいて、生成されるアンモニアのモル数から水素と窒素の消費量を計算します。反応式を見ると、1 molの窒素に対して3 molの水素が反応し、2 molのアンモニアが生成されることがわかります。
平衡定数(Kc)の計算
平衡定数Kcは、反応物と生成物の濃度比として定義されます。具体的には次のように計算できます。
Kc = [NH3]^2 / ([H2]^3 * [N2])
ここで、濃度は次のように計算されます。
- [NH3] = 1.2 mol / 2.5 L = 0.48 M
- [H2] = (3.0 mol – 3 * 1.2 mol) / 2.5 L = 0.24 M
- [N2] = (1.0 mol – 1 * 1.2 mol) / 2.5 L = 0.32 M
これらの値をKcの式に代入して計算します。
Kc = (0.48)^2 / (0.24^3 * 0.32) = 0.2304 / 0.004096 = 56.25
結果と解釈
平衡定数Kcは約56.25となります。この値は、反応が平衡に達したときに生成物(アンモニア)が反応物(水素と窒素)よりも有利な状態であることを示しています。反応が進行してアンモニアが生成され、最終的に平衡状態に達したことが確認できます。
まとめ
水素と窒素からアンモニアを生成する反応の平衡定数を求めるためには、反応の進行過程を理解し、適切な平衡式を使用して計算することが必要です。今回の計算では、平衡定数Kcは56.25となり、反応が進行した後の平衡状態を示す重要な値となります。


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