女性優先採用の有無を統計学で調べる方法

大学数学

男女各50人ずつが面接を受け、合格者が男性10人、女性40人だった場合、女性を優先して採用していたのかを統計学的に調べる方法について解説します。統計学では、こうした傾向が偶然なのか、あるいは意図的な偏りがあるのかを判断するための手法があります。

問題設定と統計的仮説検定

まず、問題の設定を明確にします。面接を受けた人数は男女共に50人ずつで、合格者は男性10人、女性40人です。この結果から、女性を優先的に採用したかどうかを統計学で調べるためには、仮説検定を使用します。

具体的には、「男女を平等に採用している」という帰無仮説を立て、実際の合格者数がこの仮説と矛盾しているかを調べます。

帰無仮説と対立仮説

仮説検定では、まず帰無仮説を立てます。ここでは、「男女を同じ確率で合格させている」という帰無仮説が考えられます。

対立仮説は、「女性が優先的に採用されている」という仮説です。統計的には、帰無仮説が成立する場合に予測される結果と、実際に得られた結果を比較します。

統計的な検定方法

この問題を調べるために使える手法は「カイ二乗検定」などの適合度検定です。カイ二乗検定では、観測された頻度(男性10人、女性40人)と期待される頻度(男女が同じ割合で合格した場合の人数)との間にどれくらいの差があるかを計算します。

期待される合格人数は、男女各50人なので、帰無仮説の下では、男性25人、女性25人が合格することが予想されます。これと実際の結果(男性10人、女性40人)との違いをカイ二乗値で求めます。

カイ二乗値とp値の計算

カイ二乗値は次の式で求めます。

χ² = Σ((観測値 – 期待値)² / 期待値)

実際の値を代入して計算すると、カイ二乗値が得られ、その値に基づいてp値を求めます。p値がある基準値(通常は0.05)より小さければ、帰無仮説を棄却し、女性優先の採用が統計的に有意であると判断します。

まとめ:統計的手法で採用の偏りを調べる

男女の合格者数に偏りがあるかどうかを調べるためには、カイ二乗検定を使って帰無仮説(男女平等に採用されている)と実際のデータとの違いを評価します。得られたp値が基準値を下回る場合、女性優先の採用が統計的に有意であると結論できます。

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