半径aの球内に電荷Qが一様に分布している時の電界の求め方

物理学

電磁気学において、電荷分布による電界の計算は基本的かつ重要なテーマです。今回は、半径aの球内に電荷Qが一様に分布している場合の、球内および球外の電界を求める問題について解説します。途中過程を含め、詳細な計算方法を説明します。

電界の求め方:クーロンの法則とガウスの法則

電界を求める方法として、クーロンの法則やガウスの法則が一般的に使用されます。ガウスの法則を用いると、対称性のある問題を簡単に解くことができます。今回は、球対称な電荷分布の問題ですので、ガウスの法則を利用するのが適切です。

ガウスの法則は次のように表されます。

∮E・dA = Q_enc / ε₀

ここで、Eは電界、dAは面積要素、Q_encは閉じた面内に囲まれた電荷、ε₀は真空の誘電率です。

球内の電界の計算

半径aの球内に電荷Qが一様に分布している場合、球内での電界はガウスの法則を用いて求めることができます。球内の任意の点での電界を求めるために、球の中心を通る半径rのガウス面を考えます。

ガウス面上の電場の大きさは一定であり、面積要素dAが球面上で全て同じ大きさであるため、積分は簡単に行えます。すると、ガウスの法則から次のように求められます。

∮E・dA = E(4πr²) = (Q_enc) / ε₀

ここで、Q_encは半径r内の電荷です。電荷Qは球全体に一様に分布しているため、Q_encは次のように表されます。

Q_enc = (Q * r³) / a³

したがって、電界Eは次のようになります。

E = (Q * r) / (4π ε₀ a³)

これが、球内の電界です。球内では、電界は位置rに依存し、中心からの距離が大きくなるほど電界が強くなります。

球外の電界の計算

次に、球外の電界を求めます。球外では、球内の全電荷Qが一つの点電荷として働くため、球外の電界は点電荷による電界と同じ式で求めることができます。

球外での電界Eは、クーロンの法則に従って次のように表されます。

E = (Q) / (4π ε₀ r²)

ここで、rは球からの距離です。球外では、電界は距離rの二乗に反比例して減少します。

まとめ

半径aの球内に電荷Qが一様に分布している場合、球内の電界は位置rに依存しており、次の式で求められます。

E = (Q * r) / (4π ε₀ a³)

球外の電界は、点電荷による電界と同じく次の式で求められます。

E = (Q) / (4π ε₀ r²)

このように、ガウスの法則を使うことで、対称的な電荷分布による電界を簡単に求めることができます。電界の強さは、距離によってどのように変化するかを理解することで、様々な物理的現象を予測することができます。

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