お酒を飲む強さは遺伝に関係しているとよく言われますが、実際にどのような要素が関わっているのでしょうか?この記事では、アルコール代謝に関与する遺伝子や、家族内での飲酒傾向について解説し、質問者の疑問に答えます。
アルコール代謝に関わる遺伝子とその役割
アルコールの代謝には主にアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)という酵素が関わっています。この酵素は、アルコールの摂取後に生じるアセトアルデヒドを無害な物質に変換する役割を担っています。ALDH2の遺伝子に変異があると、アセトアルデヒドが体内に蓄積し、アルコールが飲みにくくなる場合があります。
ALDH2の遺伝子には、正常型(活性型)と変異型(不活性型)があり、不活性型を持つ人はアルコールを摂取した際に顔が赤くなったり、吐き気を催すことが一般的です。このため、アルコールに対する耐性が低いと言えます。
家族内で見られるアルコールの強さの遺伝的要因
アルコールに強いかどうかは、遺伝的要因が大きく影響します。質問者の家族を例に挙げると、父親が以前はお酒が強くなかったものの毎日飲むようになったということから、環境や習慣の影響も見逃せません。母親が全く飲めないことから、アセトアルデヒド脱水素酵素欠損ホモ型の遺伝子型を持つ可能性が高いと考えられます。
しかし、アルコールの強さは一概に遺伝だけで決まるわけではありません。環境や生活習慣、個人の体調や体質にも大きく影響されます。例えば、アルコールに対する耐性が低い場合でも、時間をかけて飲むことに慣れたり、アルコールを摂取する機会が増えたりすることで、アルコールの強さが変化することもあります。
ヘテロ接合型とアルコール耐性の関係
質問者が述べたように、アセトアルデヒド脱水素酵素欠損ホモ型の場合、アルコールに対する耐性が低いとされています。一方で、ヘテロ接合型(正常型と変異型を両方持っている場合)の場合、アルコールに対する耐性は中程度となり、少しずつ飲めるようになることがあります。
そのため、アルコールに強いか弱いかという遺伝的な傾向は、ホモ型とヘテロ型の遺伝子の組み合わせによって異なる結果を生む可能性があります。質問者の場合、母親が飲めないので、アセトアルデヒド脱水素酵素欠損ホモ型の遺伝子を受け継いでいる可能性はありますが、ヘテロ接合型(正常型と変異型を両方持っている)の可能性も考えられます。
まとめ: アルコール強さは遺伝と環境の複合的な要因
アルコールの強さは、アセトアルデヒド脱水素酵素の遺伝子型に関係していることがわかりましたが、遺伝だけでなく環境や生活習慣も大きな影響を与える要因です。アルコールの強さを決定するのは遺伝子だけではなく、個人の体質や慣れの部分もあるため、個別に評価する必要があります。


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