物理基礎の問題でよく出題される、移動による変位の計算方法について解説します。歩行の方向と距離が与えられた場合、どのように変位を求めるのかをステップごとに説明します。
問題の理解と必要な情報
与えられた問題では、2つの歩行の方向と距離が示されています。
- 1. 北東(45°の角度)に 10 m
- 2. 南に 6 m
この問題では、2つの歩行が行われた結果としての「変位」を求めます。変位とは、出発点から最終的な位置までの直線距離とその方向を示すベクトル量です。
ベクトルを使った変位の計算
この問題を解くためには、ベクトルを使った方法を取ります。まず、最初の歩行は北東(45°)に10m進むので、これをX軸とY軸に分解して考えます。
北東方向に進む10mのベクトルを、X軸(東方向)とY軸(北方向)に分けると、両方とも以下のようになります。
- X軸方向:10m × cos(45°) = 10m × √2/2 ≈ 7.07m
- Y軸方向:10m × sin(45°) = 10m × √2/2 ≈ 7.07m
次に、2番目の歩行は南に6m進むので、このベクトルはY軸方向に負の方向(南)で6m進みます。
変位ベクトルの合成
ここで、2つの移動ベクトルを合成して総合的な変位ベクトルを求めます。X軸方向は変化せず、最初の10mの移動による7.07mがそのまま残ります。Y軸方向は、最初の7.07mに対して南へ6m進んだ分を引くので。
- Y軸方向の合成:7.07m – 6m = 1.07m
したがって、変位ベクトルのX軸方向の成分は7.07m、Y軸方向の成分は1.07mとなります。
変位の大きさと方向の求め方
最後に、変位の大きさを求めるためには、ピタゴラスの定理を使います。
変位 = √(X軸方向の成分² + Y軸方向の成分²)
式に代入すると。
変位 = √(7.07² + 1.07²) ≈ √(49.98 + 1.14) ≈ √51.12 ≈ 7.15m
また、変位の方向(角度)は、X軸方向を基準にして次のように求めます。
θ = tan⁻¹(Y軸方向の成分 / X軸方向の成分)
θ = tan⁻¹(1.07 / 7.07) ≈ 8.2°
まとめ
この問題では、2つの歩行が合成された結果として、最終的な変位の大きさは約7.15m、方向は東から8.2°南方向であることがわかりました。変位の求め方は、ベクトルの合成を使ってX軸、Y軸方向に分解し、ピタゴラスの定理と逆正接を用いて計算する方法です。これにより、歩行による変位を簡単に求めることができます。


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