フランス語を学び始めたばかりの方々がよく直面する疑問のひとつが、「du」「de la」「de l’」「des」と「au」「à la」「à l’」「aux」の使い分けです。これらの前置詞の使い分けは一見複雑ですが、基本的なルールといくつかのポイントを押さえることで、理解が深まります。本記事では、それぞれの使い分け方について解説します。
「du」「de la」「de l’」「des」の使い分け
「du」「de la」「de l’」「des」はフランス語の定冠詞に関連する前置詞ですが、使う名詞の性別や数、始まりの音によって異なります。
- du:「du」は「de + le」の縮約形で、男性名詞単数に使います。例えば、「du pain」(パン)や「du fromage」(チーズ)などです。
- de la:「de la」は女性名詞単数に使います。例としては、「de la viande」(肉)や「de la musique」(音楽)などがあります。
- de l’:「de l’」は、名詞が母音や無音の「h」で始まる場合に使います。例えば、「de l’eau」(水)や「de l’amitié」(友情)などです。
- des:「des」は複数形の名詞に使います。性別に関わらず、「des livres」(本)や「des pommes」(リンゴ)など、複数の物を指す際に用います。
「au」「à la」「à l’」「aux」の使い分け
次に、「au」「à la」「à l’」「aux」の使い分けについてです。これらは場所や方向を示す前置詞で、使い分けは名詞の性別や数に依存します。
- au:「au」は「à + le」の縮約形で、男性名詞単数に使います。例えば、「au restaurant」(レストラン)や「au parc」(公園)などです。
- à la:「à la」は女性名詞単数に使います。「à la bibliothèque」(図書館)や「à la plage」(ビーチ)などが例です。
- à l’:「à l’」は、名詞が母音や無音の「h」で始まる場合に使います。例えば、「à l’école」(学校)や「à l’hôpital」(病院)などです。
- aux:「aux」は複数形の名詞に使います。例としては、「aux États-Unis」(アメリカ合衆国)や「aux montagnes」(山々)などがあります。
使い分けのポイント
これらの前置詞の使い分けには、名詞の性別や数、そして母音や無音の「h」で始まるかどうかがポイントになります。まずは、名詞が男性か女性かを確認し、単数か複数かを見極めることが重要です。
また、母音や無音の「h」で始まる名詞には「de l’」や「à l’」を使うというルールも覚えておくと便利です。この点は、英語の「the」「a」といった冠詞の使い分けと似ているため、少し似た感覚で学ぶことができます。
実際の例を見てみよう
以下に、日常会話でよく使われるフレーズを例に挙げてみます。
- du:「Je veux du pain.」(パンが欲しい。)
- de la:「Elle mange de la viande.」(彼女は肉を食べている。)
- de l’:「Nous buvons de l’eau.」(私たちは水を飲んでいる。)
- des:「Ils ont des livres.」(彼らは本を持っている。)
- au:「Je vais au cinéma.」(私は映画館に行きます。)
- à la:「Elle va à la plage.」(彼女はビーチに行きます。)
- à l’:「Il va à l’école.」(彼は学校に行きます。)
- aux:「Nous allons aux États-Unis.」(私たちはアメリカに行きます。)
まとめ
フランス語の「du」「de la」「de l’」「des」と「au」「à la」「à l’」「aux」の使い分けは、名詞の性別や数、そして始まりの音に基づいています。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、基本的なルールを覚えることで、使い分けがスムーズにできるようになります。実際の例を多く触れることで、自然に使えるようになるので、積極的に練習してみてください。


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