実験で使用するゲルが正しく保存されなかった場合、その後の実験結果に影響を与える可能性があります。特に、SDS-PAGEやウエスタンブロッティングで使用されるゲルは、適切な保存方法が求められます。今回は、ゲル作製後の保存方法に関する問題を扱い、その影響と注意点を解説します。
1. ゲル作製後の適切な保存方法
SDS-PAGEやウエスタンブロッティングで使用するゲルは、作製後に保存する際に温度や湿度に敏感です。通常、ゲルは常温で1時間程度固め、その後4℃の冷蔵庫で保存することが推奨されます。
もし、保存中に誤って長時間常温で放置してしまった場合、その後のゲルの品質に影響が出る可能性があります。特にゲルが長時間常温にさらされると、ポリマーが劣化することがあり、実験結果に悪影響を及ぼす可能性があります。
2. 長時間常温に置いてしまった場合の影響
長時間常温で放置されたゲルは、温度変化により凝固が不完全になる可能性があります。これにより、実験時にバンドが曖昧になる、または予期しない結果を招くことがあります。
加えて、ラップでの軽いカバーではゲルの乾燥を防ぐことができないため、ゲル表面が乾燥してしまうことも考えられます。乾燥した部分は実験時に問題を引き起こす原因となることがあります。
3. 4℃に移動させた後の使用可能性
4時間後に気づいて、4℃で保存を始めた場合、ゲルが完全に無駄になることはないかもしれませんが、その状態で実験を行う場合は注意が必要です。特に、ゲルの性能に不安がある場合は、再度新しいゲルを作製する方が安全です。
しかし、冷蔵庫に移動した時点でゲルがまだ固まっているのであれば、使用しても問題ない場合もあります。その際は、予備実験を行い、結果を確認することをお勧めします。
4. 実験前に行うべき確認事項
ゲル作製後の保存方法に不安がある場合、実験前に以下の確認を行いましょう。
- ゲルの表面が乾燥していないか
- ゲルの固まり具合(完全に固まっているか)
- バンドが正常に検出できるか予備実験で確認する
これらを確認することで、実験の信頼性を高め、望ましい結果を得ることができます。
5. まとめ
ゲル作製後の保存方法に誤りがあった場合、実験の結果に影響を及ぼすことがあります。特に、長時間常温に放置することは避け、作製後はできるだけ早く冷蔵庫で保存することが重要です。
万が一誤って保存方法を間違えた場合でも、予備実験を行い、問題がないか確認した上で使用することが大切です。


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