オペアンプを使用したDAC回路において、バイアス回路の設計は非常に重要です。特に出力電圧を0V中心に調整するためのバイアスの加え方については、いくつかの選択肢があります。この問題に対する解決方法と、それぞれの利点・欠点を見ていきましょう。
1. バイアスティー回路でDAC出力に直接バイアス電圧を印加するのとオペアンプの非反転入力端子側に印加する違い
バイアス電圧をDACの出力に直接印加する方法と、オペアンプの非反転入力端子に印加する方法には、いくつかの重要な違いがあります。
バイアスティー回路でDAC出力に直接印加する場合、出力信号に直接影響を与えるため、精度や安定性を保つのが難しくなることがあります。また、出力側の負荷に依存する可能性もあります。
一方、オペアンプの非反転入力端子に印加する方法では、出力に対する影響を最小限に抑えることができます。オペアンプのゲインやフィードバックを利用することで、安定したバイアス電圧を保つことができ、より高精度な信号処理が可能です。
2. バイアス電圧をどこから引っ張ってくるのが良いか
バイアス電圧を供給するために使う基準電圧にはいくつかの選択肢があります。主に「5V基準電圧から分圧する」方法と、「専用のリニアレギュレータを使用する」方法があります。
5V基準電圧から分圧する方法は、シンプルでコストが低いため、特に低電力な回路に適しています。しかし、安定した基準電圧が求められる場合には、リニアレギュレータを使う方が適している場合があります。リニアレギュレータを使用することで、精度が高く、温度や電圧変動に強いバイアス電圧を得ることができます。
3. バイアス電圧は2Vにするべきか
DAC回路の出力が0V中心に調整されるため、バイアス電圧を2Vに設定することが一般的な解決策の1つです。出力の最大16/20個がオンになった場合、合計の電圧が理論的に2Vとなると計算することができます。
ただし、この値が実際に最適かどうかは、回路全体の設計や使用する部品によって異なります。シミュレーションや実験を行い、最も適切なバイアス電圧を選定することが重要です。
まとめ
オペアンプを使用したDAC回路のバイアス回路の設計には、いくつかの選択肢と考慮すべき要素があります。出力に直接バイアス電圧を印加する方法や、オペアンプの非反転入力端子に印加する方法の違いを理解し、最適な基準電圧の選定とバイアス電圧の設定を行うことで、安定した動作を実現することができます。


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