複素積分の問題で、特に留数定理を使った計算が複雑な場合、道筋を見つけることが重要です。今回は、与えられた複素積分問題を例に、留数定理を使った解法を段階的に解説します。具体的には、積分式や特異点、そして留数の計算方法について詳しく見ていきます。
問題の設定と積分式
与えられた複素積分は次のように表されます。
∫[0→2π] (cos(3x))^3 / (1 – 2a cos(x) + a^2) dx, 0 < a < 1
ここで、cos(x) = (z + 1/z) / 2 と置換しています。積分は実数の区間 [0, 2π] で行われ、複素数の技法を使って解きます。
変数変換と特異点の分析
まず、変数変換 cos(x) = (z + 1/z) / 2 を使います。これにより、積分は複素平面上の円に沿った積分に変換されます。z = e^(ix) と置換することで、積分範囲 [0, 2π] は単位円上の積分に変わります。
特異点は、分母 (1 – 2a cos(x) + a^2) がゼロになる点です。これを複素平面で解くと、z = a という特異点が求められます。
留数の計算
留数定理を用いるためには、特異点 z = a での留数を求める必要があります。留数を計算する際、分子と分母の式が複雑になりがちですが、次の手順で計算を進めます。
- 分母 (1 – 2a cos(x) + a^2) を z での式に変換し、z = a での特異点を計算します。
- 次に、分子 (cos(3x))^3 を z で表現し、z = a の点でその値を計算します。
- 最終的に、留数定理を用いて積分の値を求めます。
この計算を繰り返すことで、最終的に積分の結果は次のようになります。
答え: π(1 – a + a^2) / (1 – a)
まとめと解法のポイント
この問題では、複素積分を解くために留数定理を使用し、変数変換と特異点の解析を行いました。特に分子の計算が複雑に感じるかもしれませんが、ステップごとに分解していくことで、答えにたどり着くことができます。
複素積分を解く際には、変数変換と特異点の特定が重要です。また、留数定理を正しく適用することで、難しい積分問題でも解決することができます。練習を積み重ねることで、これらのテクニックを効率よく使いこなせるようになります。
コメント