アンモニア水のpHの求め方:ステップバイステップで解説

化学

アンモニア水のpHを求めるためには、化学的な計算を正確に行う必要があります。ここでは、2つの異なる条件におけるアンモニア水のpHを求める方法をステップごとに解説します。まず、電離度を用いた計算と、次に平衡定数Kbを使った計算方法を見ていきます。

アンモニア水のpHを求める前提条件

アンモニア水は水中で一部がアンモニウムイオン(NH₄⁺)と水酸化物イオン(OH⁻)に電離します。アンモニア(NH₃)は弱アルカリ性であり、水中でOH⁻を生成し、これがpHを決定します。pHの計算には、アンモニアの電離度やKb(塩基解離定数)が重要です。

(1) 電離度を使った計算方法

問題の条件は、0.020 mol/Lのアンモニア水で、電離度が0.030です。この場合、アンモニア水の電離度からOH⁻の濃度を計算し、その後pHを求めることができます。

ステップ1:電離度からOH⁻の濃度を求める。

電離度α = 0.030なので、アンモニアの電離によって生成されるOH⁻の濃度は、0.020 mol/L × 0.030 = 0.0006 mol/Lです。

ステップ2:OH⁻の濃度からpOHを求める。

pOH = -log[OH⁻] = -log(0.0006) ≈ 3.22

ステップ3:pHを求める。

pH = 14 – pOH = 14 – 3.22 = 10.78です。

(2) Kbを使った計算方法

次に、2.00 mol/Lのアンモニア水で、Kb = 1.80×10⁻⁵ mol/Lの場合の計算です。この場合は、Kbを使ってOH⁻の濃度を求め、その後pHを計算します。

ステップ1:水酸化アンモニウムの濃度の変化を式に立てる。

アンモニア(NH₃)の濃度が2.00 mol/Lで、解離してOH⁻とNH₄⁺を生成するため、解離定数Kbを使って平衡状態を求めます。

式は次の通りです。

Kb = [NH₄⁺][OH⁻] / [NH₃]

ここで、[NH₃]の初期濃度は2.00 mol/Lであり、解離度をxとすると、[NH₄⁺] = x、[OH⁻] = x、[NH₃] = 2.00 – xとなります。

ステップ2:平衡式を解く。

Kb = (x)(x) / (2.00 – x) ≈ 1.80 × 10⁻⁵

x² / (2.00 – x) = 1.80 × 10⁻⁵

この式を解くと、x ≈ 0.019 mol/Lとなります。

ステップ3:OH⁻の濃度からpOHを求める。

pOH = -log(0.019) ≈ 1.72

ステップ4:pHを求める。

pH = 14 – pOH = 14 – 1.72 = 12.28です。

まとめ

アンモニア水のpHを求める際には、電離度やKb(塩基解離定数)を活用して、OH⁻の濃度を計算し、そこからpOHやpHを導きます。問題に与えられた条件に基づいて、電離度やKbを正しく適用することで、正確なpHの値を求めることができます。実際の計算では、数値を適切に代入し、解を求めることが大切です。

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