順序回路は、特定の入力に基づいて状態を遷移させる回路です。この回路を設計する際に重要なのは、状態遷移図と状態遷移表を理解し、適切な論理回路を構築することです。この記事では、指定された仕様を満たす順序回路の設計方法を詳しく解説します。
仕様の理解と回路設計の基本
質問の仕様では、入力としてCK(クロック)とCT(カウント)が与えられ、出力はQ1とQ0です。初期状態はQ1 = 0, Q0 = 0で、CTが1のときに状態が(0,0)→(0,1)→(1,1)→(1,0)→(0,0)と循環します。
まず、状態遷移を理解するために、状態遷移図と状態遷移表を作成します。状態遷移図は、各状態とその遷移を視覚的に示し、状態遷移表は、入力に対する各状態の遷移を表にまとめたものです。
状態遷移図と状態遷移表の作成
状態遷移図は、Q1とQ0の2つのビットを持つ状態で、4つの状態(00, 01, 11, 10)を表示します。CTが1のとき、状態は次のように遷移します。
状態遷移図は次のようになります。
- (0,0) → (0,1)
- (0,1) → (1,1)
- (1,1) → (1,0)
- (1,0) → (0,0)
次に、状態遷移表を作成します。入力CTが1のときに状態が変化し、CTが0のときには状態が変化しないことを考慮して、以下のような状態遷移表になります。
| 現在の状態 (Q1, Q0) | CT = 0 | CT = 1 |
|---|---|---|
| 00 | 00 | 01 |
| 01 | 01 | 11 |
| 11 | 11 | 10 |
| 10 | 10 | 00 |
シンクロナイザなしの回路設計
シンクロナイザを使用せずに回路を設計する場合、Dフリップフロップを使用して状態の遷移を管理します。クロックCKを使って、各状態の遷移をトリガーします。
Dフリップフロップの入力には、状態遷移表に基づいた論理回路を組み合わせます。例えば、現在の状態(Q1, Q0)に応じて、次の状態の入力Dを決定する論理ゲートを使用します。
具体的な回路設計には、状態遷移表に基づいたANDゲートやORゲートを組み合わせて、Dフリップフロップに必要な入力信号を与えます。これにより、CTの値に基づいて状態遷移を実現する回路が完成します。
まとめ
順序回路を設計する際、状態遷移図と状態遷移表を正確に作成することが重要です。指定された仕様を満たす回路を設計するには、状態遷移に基づいて適切な論理回路を構築し、シンクロナイザなしでも動作するように工夫する必要があります。Dフリップフロップを活用した設計方法を理解することで、効率的な順序回路の実装が可能になります。


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