照明器具の平均有効時間を信頼度95%で推定する方法

統計学において、母集団の平均を信頼度95%で推定する方法は、推定値がどの程度信頼できるかを知るために重要です。ここでは、工場で生産される照明器具の平均有効時間を推定する方法を紹介します。

問題設定

ある工場で生産される照明器具の中から無作為抽出で100個を選び、有効時間の平均値と標準偏差がそれぞれ2000時間、122時間であったとします。このデータを基に、信頼度95%で母集団の平均有効時間を推定します。

母集団の平均値を推定するために、まず標本平均と標本標準偏差を使って信頼区間を計算します。信頼区間は以下の式で求めます。

信頼区間 = 標本平均 ± (Z値 × 標本標準偏差 / √標本数)

ここで、Z値は信頼度95%に対応するZスコアです。信頼度95%の場合、Z値は1.96です。標本平均は2000時間、標本標準偏差は122時間、標本数は100です。

まず、標本平均の値は2000時間、標本標準偏差は122時間です。標本数は100個ですので、標本標準偏差の標本平均に対する標準誤差を計算します。

標準誤差 = 122 / √100 = 12.2時間

次に、信頼区間の幅を計算します。

信頼区間幅 = 1.96 × 12.2 = 23.9時間

したがって、信頼区間は次のようになります。

信頼区間 = 2000 ± 23.9

この結果から、信頼度95%で母集団の平均有効時間は1976.1時間から2023.9時間の間にあると推定できます。この範囲内で、実際の平均有効時間が95%の確率で存在することがわかります。

このように、標本の平均と標準偏差を用いることで、母集団の平均有効時間を信頼度95%で推定することができます。この方法は、標本を用いた推定において非常に役立つ基本的な手法となります。