行列の固有値と固有ベクトルを求める問題は、線形代数における基本的な課題です。特に、固有ベクトルに関しては定数倍がある場合が多いため、理解を深めることが重要です。この記事では、与えられた2×2行列に対する固有値と固有ベクトルの求め方と、定数倍の問題について解説します。
与えられた行列の固有値と固有ベクトル
まず、与えられた行列Aは以下の通りです。
A =
[ [0, 1], [1, 0] ]
この行列に対して、固有値を求めます。固有値の計算には、行列の特徴方程式を使います。この特徴方程式を解くことで、固有値はλ = ±1であることが分かります。
固有ベクトルの定義と計算
次に、λ = 1に対応する固有ベクトルを求めます。固有ベクトルは、以下のように求めることができます。
(A – λI)v = 0
ここで、Iは単位行列、vは固有ベクトルです。λ = 1の場合、この方程式を解くと、固有ベクトルはv1 = [1, 1]^Tとなります。つまり、固有ベクトルは定数倍を除いて、[1, 1]の形で表されます。
定数倍と固有ベクトル
質問者は、定数倍を含む形で固有ベクトルを求めたと考えていますが、数学的には固有ベクトルは定数倍で表現できます。固有ベクトルの定義上、任意の定数倍が許容されます。例えば、v1 = c * [1, 1]という形であれば、cは任意の定数です。
しかし、通常は固有ベクトルは最も単純な形、すなわち定数倍を省いた形で表されるのが一般的です。このため、解答ではv1 = [1, 1]^Tという形で記載されています。
固有ベクトルの一意性
固有ベクトルは一意に決まるわけではなく、任意の定数倍が可能であるため、v1 = [1, 1]という表現が唯一の解であるわけではありません。実際には、v1 = c * [1, 1](cは任意のスカラー)という形の全てが固有ベクトルとして成り立ちます。
まとめ
行列の固有ベクトルに関して、定数倍を含む形で表現されることは理解すべき重要なポイントです。質問者が疑問に思っているように、解答で定数倍が省略されるのは、固有ベクトルの表現が一般的にその最も簡単な形で行われるためです。固有値と固有ベクトルの理解は、線形代数の基礎をしっかりと固めるために重要です。
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