一級建築士製図試験では、与えられた課題文に忠実に設計図や計画をまとめることが求められます。そのため、要求室名や指定された機能を正確に反映しているかどうかは評価に大きな影響を及ぼす要素のひとつです。この記事では、室名の書き換えや表記の違いが採点にどのように扱われるのかについて整理します。
要求室名の変更は減点対象になるのか
課題文に示された要求室名をそのまま使用することが基本です。例えば「事務室」を「執務室」、「消火ポンプ室」を「ポンプ室」と変更した場合、試験問題における「要求室が欠落している」とみなされる可能性が出てきます。これは、試験官が「課題文に忠実であるか」を第一に確認するためです。
ただし、室の機能が明確に維持されており、図面からその用途が正しく読み取れる場合は、即失格の扱いにはならず、減点で済むこともあります。最終的な判断は採点基準に基づきます。
表記ゆれが許容されるケース
一部の室名では、表記がわずかに異なっていても同じ用途として読み取れる場合があります。例えば「展示スペース」と「掲示スペース」はニュアンスが異なるものの、情報を示す場所として読み取れる場合は、部分的な減点で済む可能性があります。しかし「展示」と「掲示」では空間の使い方が異なると解釈されることもあるため、リスクは残ります。
過去の合格者の体験談では、表記が多少異なっても、明らかに要求機能を満たしていると判断される場合は合格に影響しなかった例もあります。
ランクⅣに該当するケース
ランクⅣ(失格相当)に直結するのは、要求室が図面に全く存在しない場合や、指定された用途を大きく外れている場合です。したがって、名称の変更だけで直ちにランクⅣとなるわけではありませんが、「要求室が欠落している」とみなされるリスクを伴います。特に「ポンプ室」のように防災設備と直結する室は重視されやすいため注意が必要です。
実際の試験で意識すべきこと
- 室名はできる限り課題文のまま使用する。
- やむを得ず表記が変わる場合でも、図面上で機能が一目で分かるように工夫する。
- 特に設備系や防災関連の室名は厳格に扱われるため、原則変更しない。
これらを踏まえて計画すれば、大きな減点や失格リスクを避けることができます。
まとめ
一級建築士製図試験における要求室名の変更は、内容によっては「欠落」と判断される可能性があります。特に防災関連の室は厳格に採点されるため要注意です。ただし、機能が明確に示されていれば即失格に直結するわけではなく、減点で済むこともあります。今後の受験対策としては「課題文の用語をそのまま使う」ことを徹底するのが最も安全です。
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