2変数関数の極限とr→0による誤解:なぜθの値によって異なるのか?

大学数学

この問題は2変数関数の極限を理解するために重要なポイントを含んでいます。特に、極座標系での変換と、その際にθの値がどのように影響を与えるかに焦点を当てます。

1. 極限の基本的な考え方

2変数関数の極限を求める際、(x, y) → (0, 0) という状態と r = √(x² + y²) → 0 の状態が同じ意味を持つかどうかは、場合によって異なります。これは、rが0に近づく際に、(x, y)のアプローチの仕方(θの値)によって結果が変わるためです。

2. 関数の極座標での表現とθの影響

関数f(x, y) = xy³ / ((x² + y⁴)√(x² + y²))を極座標系に変換すると、次のように表せます。

f(x, y) = r⁴ cosθ sin³θ / (r² cos²θ + r⁴ sin⁴θ) r

ここで、r → 0とすると、θによってf(x, y)が異なる挙動を示すことがわかります。特に、θが異なる場合、関数の極限が0/cos²θの形となり、θに依存するため、一見して定義された極限が0に収束するわけではないことに注意が必要です。

3. θの影響と誤解の原因

θの値は(x, y)が(0, 0)に近づく過程において重要な役割を果たします。例えば、g(θ) = (cos²θ, sinθcosθ)のように、θが0に近づくと、関数の値はθに依存して異なる挙動を示します。θが変化するため、r → 0においても、θに応じてf(x, y)の値が変わることがあります。

4. なぜ「r → 0」でf(x, y)が0/cos²θとなるのか

見かけ上、(x, y) → (0, 0) でr → 0とすると、f(x, y)は0/cos²θ = 0に収束するように見えますが、これはθが一定であると仮定したために誤りです。実際には、θの値が変化するため、(x, y)が(0, 0)に近づく経路に応じて極限値が異なる場合があることを理解する必要があります。

5. まとめ

2変数関数の極限を求める際、(x, y) → (0, 0)とr → 0が必ずしも同じ意味を持つわけではないことを理解することが重要です。θの値が変化することで、関数の極限値が異なる挙動を示すため、誤解を避けるためには極座標系でのθの影響を考慮しながら極限を求める必要があります。

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